2019 Fiscal Year Research-status Report
成人T細胞白血病リンパ腫に対する天然由来活性化合物の探索的研究
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19K16403
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中野 大輔 福岡大学, 薬学部, 助教 (30509641)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 天然由来活性物質 / 成人T細胞白血病 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)に対する天然由来活性化合物の探索的研究を行っている。ATLLは発症後1年以内に死亡する患者が多く、5年生存率も約10%と極めて低い。また、ATLLの原因ウイルスとなるHTLV-1キャリアは日本において100万人を超えている。しかしながら、モガムリズマブなどの抗体医薬品が開発されてきているが、治療方法の選択肢が少ないのが現実である。 そこで、天然物に治療薬の候補となる化合物がないかと着目し、天然物エキスのスクリーニングを行い、ATL患者由来細胞株に対して効果のある天然物をピックアップした。その中でもナス科植物やガガイモ科植物について有用性を確認し、現在研究を行なっている。 上述した植物の成分をDiaion、シリカゲル、ODS、MCL gel などの各種カラムクロマトグラフィーを用いて分離・精製し、得られた化合物について、細胞増殖抑制活性試験を行なった。その結果、ナノモルオーダでの活性が認められた化合物があり、他の植物から得られた知見も踏まえ、構造活性相関について検討を行なっている段階である。それらの結果を踏まえて、強い活性を示したものに関してはメカニズムなどについても検討していきたいと考える。 また、それらと並行して、スクリーニングのために新たなるエキス作成を行なっている。それらの細胞増殖抑制活性についても評価を行い、有用性が確認できれば、その都度分離・精製のプロセスに移っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2019年は概ね順調であったが、2019年度末より自粛等もあり、十分に実験操作ができていない。 今後も、今まで同様とは行かないと考えるので、効率化などが問題になってくると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も計画に沿って、研究を行なっていく。 しかし、昨今の社会情勢を鑑みると以前までと同様にはできない部分も多くなっていくと考えられるので、効率化などについても検討課題となる。
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Causes of Carryover |
研究の進度により調達する期間が後ろ倒しになったものがあり、次年度使用額が生じた。 使用計画としては、申請書を踏まえて使用していく予定である。
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