2022 Fiscal Year Annual Research Report
成人T細胞白血病リンパ腫に対する天然由来活性化合物の探索的研究
Project/Area Number |
19K16403
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
中野 大輔 福岡大学, 薬学部, 助教 (30509641)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 天然由来活性物質 / 成人T細胞白血病 / キョウチクトウ科 / ナス科 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回、成人T細胞白血病リンパ腫(ATLL)に対する天然由来活性化合物の探索研究を行なっている。 ATLLに対しては治療薬としてモガムリズマブやレナリドマイドなどが加わったが、いまだに根治が困難な疾病である。また、ATLLを引き起こす原因ウイルスであるHTLV-1のキャリア数は日本で100万人を超えていると言われている。 そこで、今年度は新たな治療薬の選択肢になるために天然由来低分子活性化合物を見出すために、天然物エキスのスクリーニングを行い、いくつかの候補植物エキスを見出した。ナス科植物やキョウチクトウ科植物について行い、いくつかの化合物を単離し、活性について構造活性相関とともに評価を行った。ナス科植物は以前から研究を行なっていたwithanolide類の関連化合物を単離し、構造活性相関についての知見を深めた。一方、キョウチクトウ科植物に関しては、構造活性相関について新たな知見が得られ、HTLV-1感染細胞株であるMT-1・MT-2細胞に対してアポトーシスを誘導し、細胞周期のG2/M期に影響を及ぼすことも明らかにした。 また、スクリーニングの際に得た知見より他の科の植物についても活性化合物の検討を行い、いくつかの活性を持つ化合物を得、これら化合物の構造活性相関についても明らかにした。 研究期間を通じて、スクリーニングの結果候補エキスとなったいくつかの植物エキスよりwithanolide類・強心配糖体・リグナンなどの活性化合物を見出し、構造活性相関を明らかにした。また、単離の際にいくつかの新規化合物も単離し、構造を決定した。その後、得られた化合物の中で特に活性が強いものに関して、アポトーシスを確認し、細胞周期に対する影響も確認した。
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Research Products
(3 results)