2019 Fiscal Year Research-status Report
establishment of a novel disease stratification method with response profile data analysis of peripheral blood mononuclear cells
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19K16407
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90736050)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | プロファイルデータ解析 / 遺伝子発現変動 / RNA-seq / アルツハイマー型認知症 / 末梢血単核球 / 応答プロファイルデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 低侵襲性に入手可能な末梢血単核球を疾患層別化マーカーとして活用すべく, 末梢血単核球の応答プロファイルの有用性を評価することを目的としている。今年度は主に解析対象と定めたアルツハイマー型認知症患者の血液検体の入手に取り組んだ。まず共同研究先ののぞみメモリークリニックとの間での検体受け渡しに関する体制を整えた。当初の想定と異なり, 実際に運用に当たっては当院の担当医数の問題により, 受け渡しが不可能な曜日が発生するといった事態もあったものの, 着実に検体を入手可能な体制が整えられた。これまでに合計16検体を収集済みであり, その内訳は①アルツハイマー型認知症かつ白質病変の混合型が7, ②アルツハイマー型認知症であるものの白質病変が認められない型9となっている。当初の予定では双方ともに8検体以上を想定しているため, ①の型に関して現在該当する検体の入手に努めている。一方, COVID19の影響により, 検体入手に想定以上の時間を要しているため, 研究計画を修正し, 入手済み検体のみで取り組むことも視野に入れている。 この間にデータ解析基盤を整えている。本研究で用いる独自解析手法 (Mizuno T, 2019, Sci Rep) の高速化に取り組み, 解析に供する共変構造の選定アルゴリズムを追加することで50倍近い改善に成功している。また解析結果のアウトプットを転写因子と結びつけるアルゴリズムを実装した (論文投稿準備中)。これにより白質病変有無の違いを分ける応答の生物学的な意義の検証が加速化されるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに本研究実施にあたり共同研究先クリニックとの血液検体受け渡し, 当該検体からの末梢血単核球の精製, 炎症刺激の実施, そしてトランスクリプトーム解析に供するための準備, といった一連の体制を整えた。本体制を活用し検体収集に努めた結果として, 当初の予定より1検体不足しているものの, 必要とする検体数のほとんどを入手済みであることから, おおむね順調に進展していると判断した。一方, COVID19の影響により, 各種実験が滞っている点が懸念される。行動制限が解除され次第, スムーズに本研究を再開できるよう実験機器等の整備に取り組んでいる。またデータ取得後に向けてデータ解析基盤を拡充した点も特筆に値する。本研究ではRNA-seqデータを用いるが, RNA-seqデータは取得したカウントデータから遺伝子発現量行列に変換するまでのプロセスに複数の選択肢が存在する。今回使用するプログラムを改良し, 高速化に成功したため, これらの試行をスムーズに実施可能になると期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
今後, まず残る検体の収集に取り組む。COVID19による自粛の解除, 及び患者さんの来院ペースを考慮し, 検体を当初の予定まで回収するか, これまでに入手した検体で取り組むかを判断する。患者さんの来院情報に関しては共同研究先ののぞみメモリークリニック担当医とzoomによるweb会議を通じて密に連携をとっており, 支障はない。検体をRNA-seq解析に供した後のデータ解析を見据え, 独自解析手法のプログラムの高速化は既に実施済みであり, また本手法に適した転写因子推定アルゴリズムも実装済みである。これら基盤整備により, 極めて迅速なデータ解析が可能となったため, 多少計画に遅れが生じたとしても円滑に対応可能であると期待される。データ解析後は, 白質病変部位の有無を分ける指標の生物学的な意義を評価する。追加実装したアルゴリズムを活用して指標が関連する生物学的意義を見出し, 追加取得した検体を用いて分子生物学的実験により実証する。転写因子の活性化評価や定量的PCR等, 実証に必要な分子生物学的実験系はいずれも確立済みであるので遂行に支障はない。
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Causes of Carryover |
初年度実施予定であったトランスクリプトーム解析がCOVID19による検体収集遅延のため, 次年度に持ち越されたため。緊急事態宣言解除に伴う行動制限解除の後に再開する予定である。
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