2020 Fiscal Year Annual Research Report
establishment of a novel disease stratification method with response profile data analysis of peripheral blood mononuclear cells
Project/Area Number |
19K16407
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
水野 忠快 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (90736050)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 疾患層別化 / 末梢血単核球 / トランスクリプトーム |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では, 低侵襲性に入手可能な末梢血単核球を疾患層別化マーカーとして活用すべく, 末梢血単核球の応答プロファイルの有用性を評価することを目的としている。今年度は既存データベースのデータを用いた解析, 及びマウスでの検証用試験系の樹立に取り組んだ。 COVID19の影響により患者の来院頻度が激減し, 初期取得検体の保存期限の観点から新たな検体の取得が見込めなくなった。また検出力に基づいて試験デザインを再考したものの, 取得済みの検体数ではオミクス解析による評価は困難であると判断されたため, データの独自取得を断念した。代替として, 既存データベースより取得した, 末梢血単核球に対してLPS処理を施した際のオミクスデータを対象に解析を実施した。本データは健常人を対象としており, 疾患層別化の判断指標にはならないものの, 年齢を目的変数として取り組んだ。独自プロファイルデータ解析手法OLSAによる解析の結果, 年齢と相関する遺伝子群を抽出することに成功し, 当該遺伝子群がOLSAに引き続く転写因子推定解析, 及びGO解析により複数の既存生物学的知見と対応づくことが明らかとなった。対象としたデータには交絡となりうる臨床情報が付与されていなかったものの, それらを用いずとも分離できたことは特筆に値する。見出した知見を実験科学的に検証するための基盤を樹立すべく, FACSによる各種血球細胞を単離する実験系の確立に取り組んだ。マウス, 及び血液量の観点で扱いやすいラットについて実験系が樹立された。 応答プロファイルの利点として, 交絡の多い臨床検体でも頑健な層別化が可能になると期待される。本研究では既存データの解析により本仮説を指示する結果が取得され, またCOVID19終息後患者検体を用いた解析が速やかに実行可能なデータ解析・実験科学的環境が整備された。
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Research Products
(2 results)