2019 Fiscal Year Research-status Report
がん病態時におけるフェンタニルの鎮痛効果と血液中のサイトカイン濃度との関係解析
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19K16410
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
石田 卓矢 浜松医科大学, 医学部附属病院, 薬剤師 (10810616)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フェンタニル / IL-6 / IL-1β / IL-4 / がん性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん性疼痛において、血液中のサイトカインであるインターロイキン(IL)-1βやIL-4濃度の上昇がオピオイドμ1受容体の結合能やmRNAの発現量に影響を与えることが報告されている。また、IL-6濃度の上昇により一部の薬物代謝酵素の活性低下を引き起こすことが知られている。これまで、オピオイド鎮痛薬の鎮痛効果の個体間差の要因については、薬物代謝酵素、薬物輸送担体やオピオイドμ1受容体の遺伝子変異を含む個人に不変的な因子に関する報告が多くなされてきた。本研究では病態の進行に伴い継時的に変動しうる血液中のIL濃度がオピオイド鎮痛薬であるフェンタニル貼付剤の鎮痛効果に及ぼす影響を明らかにすることを目的としている。 2019年度は患者登録を開始した。実際に患者検体を用いて血液中のフェンタニルおよびノルフェンタニル濃度の測定を実施し(HPLC-MS/MS法による測定方法を確立済)、その血中濃度には個体間差があることを確認した。さらに、カルテ記載より鎮痛効果の状況について情報収集を行った。血液中のIL濃度の測定については現在実験を進めているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
患者登録、血液中の濃度測定についても特段の問題なく進めることができている。
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Strategy for Future Research Activity |
患者登録および患者検体の収集、薬物血中濃度の測定、カルテ情報の収集を継続する。 患者検体を用い、血液中のIL-6、IL-1β、IL-4濃度の測定を実施する。 現時点で研究計画の変更はない。
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Causes of Carryover |
フェンタニルおよびノルフェンタニルの標準試薬について、既に所有していたものがあり、現時点では不足していないことから購入していないため。 また、インターロイキンの測定キットについても既に所有していたものから一部使用したこと、実際の患者検体での測定をこれから本格的に開始していく予定であるため、その分の購入費が抑えられた結果となっている。 次年度からはインターロイキンの測定をさらに進めていくため、キットの購入も行っていく予定である。
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