2021 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子多型と臨床検査を融合させた新規指標に基づく抗PD1抗体薬の効果予測法の開発
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19K16414
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岡田 直人 徳島大学, 病院, 薬剤師 (30623269)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫チェックポイント阻害薬 / 間質性肺炎 / 医療ビッグデータ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は前向き臨床研究を計画していたが、新型コロナウイルス感染症の流行により、検体の回収が困難になり、計画の進行がストップしてしまった。 そこで本年度は、前向き臨床研究の準備を進めつつ、免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の致死的有害事象である間質性肺炎に焦点を当て、大規模データベースを用いた解析を実施した。 ICIとEGFR-TKIはEGFR変異陽性肺がん患者におけるkey drugである。これら薬剤の同時治療により、間質性肺炎のリスクが上昇する可能性が指摘されているが、sequentialな治療がILDリスクに与える影響は不明である。本研究はClaim databaseを用いて、EGFR-TIKの前治療がそれに続くICI投与後のILD発現リスクに与える影響を解析した。 解析対象となった患者は628名であり、そのうちEGFR-TKI前処置群は39名であった。これら患者群のうちICI投与後にILDが発現したのは1名 (incidence rate: 3.8 /100 person-year, 95% confidence interval (CI): 0.096-21.16)、非前処置群では60名 (incidence rate14.71 /100 person-year, 95%CI: 11.22-18.93)であり、incidence risk ratioは0.26 (95%CI: 0.036-1.86)であった。Propensity scoreで調整したlogistic modelでは、EGFR-TKIのpre-treatmentはICI投与後のILD発現リスクに関連する因子として同定されなかった。 本解析によりEGFR-TKIの前処置はICI投与後のILDリスク上昇には関与しないことを明らかにした。
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