2020 Fiscal Year Research-status Report
Prediction of Infuenza Epidemics and Assessment of Treatment using Mathematics Models
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19K16428
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
地嵜 悠吾 京都薬科大学, 薬学部, 助教 (30781356)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | インフルエンザ / 流行予測 / 数理モデル / SIRモデル / NONMEM / 京都府 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の研究計画では、2年目はインフルエンザの副作用及び効果、費用データの収集及び、これらの評価を行う予定であったが、1年目から継続している流行予測解析手法のためのモデルが十分に頑強(ロバスト)ではないため、その検討を優先的に行った。各年の36週目から次年の35週目を1シーズンとして、入手したデータに対して母集団解析を行ったところ、シーズン間の変動誤差としたパラメータが適切に収束しないため、母集団解析ではなくシーズン毎の観測データを用いてSIRモデルによる解析を行った。いくつかのシミュレーションを行い、その結果をもとに通常の最小二乗法を用いたパラメータを算出し、2007年から2017年の各シーズンにおけるそれぞれのSIRモデルを作成した。また、パラメータ値を種々変化させてシミュレーションを行うことでモデルによる流行曲線の推移に関して確認を行った。今後、これらの結果を元に今一度全データについて一括に母集団解析を行い、さらに気象情報を考慮に入れたモデルの検討を行う予定である。 本研究課題の他の目的として、今後JADERやFAERSといった副作用自発報告データベースを活用してインフルエンザ治療薬に関して副作用の報告情報の収集やシグナル解析につして検討する予定である。そのための予備調査として、JADERを用いたBCPNN(Bayesian Confidence Propagating Neural Network)法に基づく指標のひとつであるIC(Information Component)を活用したシグナル解析検討を行った。インフルエンザ治療薬とは異なる医薬品を対象とした副作用自発報告データベースを用いた解析研究であるが、その解析手法を習得し、現在論文投稿中投稿中である。また、費用対効果の解析についても既にインフルエンザ治療薬ではないが既に論文公表しており(Y Chisaki et al., Clin. Drug Investig. 41, 381-389 (2021))この手法も本研究課題への適用を目指す予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
NONMEMを用いたSIRモデルの結果が十分に満足できるのものとならず、うまく収束しなかったため検討を継続する必要がある。現在の社会情勢から臨床現場との連携による情報収集が難しくなることが予想されるが、文献値やデータベース情報を探索するなどの工夫が必要と考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度でシーズン毎のSIRモデルを作成したので、これらの評価を行うとともに母集団解析に関して検討を行う。また、自発報告データベースを用いた副作用情報の評価・解析、費用対効果モデルの適用を試みる。
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Causes of Carryover |
購入予定だった解析ソフトウェア(NONMEM,JMP)を他の研究でも用いることになったため、他の研究費で購入したこと、学会出張などの経費が不要になったこと、が理由。 今後の使用計画としては、解析ソフトウェアの購入、必要な書籍の購入及び学会参加のために用いる。
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