2021 Fiscal Year Research-status Report
抗菌薬による腸内フローラの変化が及ぼすCYP3A4代謝薬剤の薬効・安全性への影響
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19K16443
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
八木 達也 浜松医科大学, 医学部附属病院, 副薬剤部長 (70719575)
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Project Period (FY) |
2020-03-01 – 2023-03-31
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Keywords | CYP3A4 / 薬物間相互作用 / 抗菌薬 / 腸内フローラ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトにおいて、いまだ明らかにされていない抗菌薬投与による腸内フローラの変化が及ぼすCYP3A4代謝薬剤への影響およびそのメカニズムを明らかにすることを目的に、①抗菌薬投与によるCYP3A4代謝薬剤の薬効・有害作用発現頻度の解析(医療データベース研究)、②抗菌薬投与によるCYP3A4代謝薬剤の薬物動態・腸内細菌叢の変化の評価(臨床薬理研究)および ③ 抗菌薬投与の模擬環境下におけるヒト肝細胞、腸管細胞でのCYP3A4代謝薬剤の代謝に関わる因子の遺伝子発現・活性の評価(基礎薬理研究)を実施する予定である。 2021年度は the Swedish National Register Systemに加えて浜松医大の臨床研究D☆Dを用い、すべての直接経口抗凝固薬(CYP3A4代謝薬剤)服用患者を対象としたCohort研究を実施した。DOACとキノロン系抗菌薬の併用を曝露とし、出血(脳血管、消化管)の発症率をDOACとDoxycycline(日本ではMinocycline)の併用患者群で比較した。現在、論文を投稿中であるが、本邦における出血リスクの比較については、海外との抗菌薬使用ガイドラインの違いなどもあり、Minocycline併用群との比較では不適切であると考え、別の薬剤を使用した比較を検討している。解析には、cox regressionを用いたcohort studyによりハザード比(95%信頼区間)を算出する方法を用いることが適切であると判断した。 しかし、DOAC服用患者における出血の発現率は1%未満であることから、正確な解析にはさらに多くの症例数が必要である。そのため、現在、本邦の複数のデータベースを扱う組織と連携し、その解析を行う計画であり、2022年度にはそのデータベースを購入の上、解析を実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
解析に十分な症例数に至っておらず、その対応を行っている。本邦におけるデータベースの使用により解決できる可能性が高いことが明らかになったため2022年度は進展する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は本邦のナショナルデータベースなどを用いた解析を行っていく予定であり、その準備は整えられている。また、さらに予定している臨床薬理研究や基礎薬理研究に関しても専門の研究者と相談の上で研究計画をたてていく予定である。
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Causes of Carryover |
2022年度は本邦のデータベースを購入する予定である。データベースの価格に関しては、現段階で200万~250万円が見込まれている。
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Research Products
(1 results)