2020 Fiscal Year Annual Research Report
Targeting YB-1 activation pathway overcomes progressive breast cancer
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19K16449
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
柴田 智博 信州大学, 医学部, 日本学術振興会特別研究員 (40795986)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 乳癌 / YB-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は乳癌のオンコプロテインであるY-ボックス結合タンパク質-1(YB-1)が抗がん剤に対する耐性獲得に伴い核内発現が増加することを報告している。そこで、ERα陽性乳癌細胞よりERα標的薬であるFulvestrantに対する耐性株を樹立し検討を行った結果、耐性株においてリン酸化YB-1(pYB-1)の発現上昇に加え、AKT/mTOR/S6K/S6経路の活性化を観察した。昨年度までの研究において、耐性細胞株を用いた検討により、リン酸化YB-1を標的とすることが内分泌治療耐性克服に有用である可能性を示すことができた。本年度の検討では乳癌患者を対象にYB-1の治療標的としての有用性を評価するために検討を進め、以下の結果が得られた。 (1)乳癌患者61症例の原発巣を対象に、YB-1発現について免疫染色法により検討を行った。その結果、再発がなかった群に比べ再発があった群での原発巣でのYB-1発現が有意に高いことが観察された。 (2)内分泌治療前と治療後に再発が起きた乳癌患者12症例におけるpYB-1、YB-1、pS6発現について免疫染色法により検討を行った。その結果、原発巣に比べ再発巣においてpYB-1、YB-1、pS6発現が有意に高いことが観察された。同時に、再発までの期間と原発巣でのpYB-1、YB-1、pS6発現との関連について解析を行ったところ、3年以内の早期に再発した患者群ではpYB-1、YB-1、pS6発現が原発巣で高いことが観察された。 以上の結果から、臨床検体を用いた検討においてもリン酸化YB-1シグナルが内分泌治療耐性癌の出現に関与していること、リン酸化YB-1を標的とした治療薬が耐性癌の出現を予防できる可能性が示された。
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Research Products
(2 results)