2020 Fiscal Year Research-status Report
Physiological factors involved in variability of OATP1B activity
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19K16455
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Research Institution | Meiji Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
鈴木 陽介 明治薬科大学, 薬学部, 助教 (10737191)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | OATP1B / coproporphyrin-I / CMPF / 慢性腎不全 / 関節リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、生理的要因がin vivoでのorganic anion transporting polypeptides(OATP)1B活性におよぼす影響を血漿中のcoproporphyrin-I(CP-I)濃度を指標にして評価し、患者個々のOATP1B活性の予測に繋がるエビデンスを構築することを目的としている。令和二年度の研究実績は以下のとおりである。 1. 一般成人におけるOATP1B活性の評価:一般成人391名を対象に血漿中CP-I濃度を測定し、OATP1B1*15アレル保有者における血漿中CP-I濃度の有意な上昇を見出した。特に、OATP1B1*15/*15保有者の血漿中CP-I濃度は、野生型に比べて著しく増加していた。このことから、血漿中CP-I濃度はOATP1B1の遺伝的背景の影響を反映する精度の高いバイオマーカーであることが示唆された。一方で、Multi-drug resistance protein(MRP)2、OATP2B1およびOATP1B3の遺伝子多型と血漿中CP-I濃度の間には関連が認められなかった。このことから、OATP1B活性の指標としてのCP-Iの特異性の高さも確認された。 2. 関節リウマチ患者におけるOATP1B活性の評価:36名の関節リウマチ患者を対象に血漿中CP-I濃度を測定した結果、関節リウマチ患者の血漿中CP-I濃度は一般成人に比べて高値であることが明らかになった。重回帰分析の結果、血漿中CP-I濃度に影響する有意な因子として、OATP1B1*15アレルの有無および血漿中3-carboxy-4-methyl-5-propyl-2-furanpropanoic acid(CMPF)濃度が抽出された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
血漿中CP-I濃度と遺伝的背景の関連を明らかにし、CMPFの蓄積がOATP1B活性を低下させる新知見を示すことに成功しており、当初の目標をおおむね達成していると考え、上記の区分の評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度は、「慢性腎不全患者におけるOATP1B活性の変動の有無と個人差の要因解析」について研究を行っていく。血漿中CP-I濃度を従属変数に、種々の患者背景、OATP1B1遺伝子多型、血漿中CMPF濃度および各種炎症性サイトカイン濃度を独立変数とした多変量解析を行い、OATP1B活性の個人差を規定する生理的要因を探索する。
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