2021 Fiscal Year Annual Research Report
薬物トランスポーターTETRANの基質認識・輸送特性の解明
Project/Area Number |
19K16456
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
川嵜 達也 愛知学院大学, 薬学部, 講師 (70722073)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | トランスポーター / 輸送 / TETRAN |
Outline of Annual Research Achievements |
HEK293細胞発現系を用いて,以下の検討を行った。 1)安定発現株の構築 G418を用いて選択培養し,TETRAN安定発現株を樹立した。TETRAN抗体(Invitrogen PA5-116158)および抗beta-actin抗体を用いたウェスタンブロットによりTETRANの過剰発現を確認した。 2)蛍光基質の同定 初年度の一過性発現株を用いた検討と同様に,TETRAN安定発現株を用いて蛍光基質を探索した。検討したカチオン性蛍光色素のうち,rhodamine 123のみがMock細胞に対して,TETRAN安定発現株に蓄積した。この輸送はMichaelis-Menten型の濃度依存性を示したが,rhodamine123濃度が30 μM以上では,Mock細胞と差が見られなくなった。以降の検討は0.5 μMで実施した。 3)阻害剤探索 主要なアニオン性薬物はrhodamine 123輸送を阻害しなかった。一方,種々カチオン性薬物が阻害剤であり,IC50がμM orderの阻害剤として,clonidine, decynium 22, diphenhydramine, YM155, MPP+, pyrilamineを同定した。TETRAN酵母ホモログTpoIの基質であるポリアミン類(スペルミン,スペルミジン,アグマチン,プトレシン)はrhodamine 123輸送を阻害しなかった。 4)Competitive counter flow法を用いた基質の確認 rhodamine輸送がplateauに到達後,細胞外液をrhodamineおよび阻害剤を含む液に交換した際の平衡移動から阻害剤のうち,decynium 22, diphenhydramine, YM155, MPP+, pyrilamineが基質であることが示唆された。 以上得られた成果を元に,現在論文投稿準備中である。
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