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2019 Fiscal Year Research-status Report

miRNAを利用したがん化学療法の効果増強・非侵襲的効果予測を目指した基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 19K16463
Research InstitutionKobe Pharmaceutical University

Principal Investigator

田中 章太  神戸薬科大学, 薬学部, 特任助教 (40783684)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2021-03-31
KeywordsmiRNA / エクソソーム / 大腸がん / オキサリプラチン
Outline of Annual Research Achievements

オキサリプラチン (L-OHP) は大腸がんの化学療法に使用される抗がん剤であるものの、その効果は患者によって大きく異なることが知られている。そのため、患者ごとに適した抗がん剤を選択する個別化医療の推進を可能とする治療前診断技術の開発が待ち望まれている。また、大腸がんに使用できる抗がん剤は限られており、効果を増強する新規ストラテジーの開発も必要とされている。microRNA (miRNA) は細胞内でmRNAのタンパク質への翻訳を阻害し、細胞の機能や生理現象に関与する。近年、細胞外膜小胞であるエクソソームはmiRNAを含有し、そのmiRNAは放出した細胞の状態を反映することが明らかになっている。
本研究ではL-OHPの効果を増強するmiRNAを見出すことを目指し、検討を行った。また、エクソソーム中のmiRNAが非侵襲的効果予測法に応用が可能ではないかと着想し、L-OHPの治療効果を反映する細胞外エクソソーム中miRNAの探索も併せて実施した。
まず、複数のL-OHP耐性大腸がん細胞で細胞内発現量が低下しているmiRNAを探索したところ、3種類のmiRNAの発現量が低下していた。さらに、詳しい機序は不明だが、その中の1種類のmiRNAの細胞内発現量を減少させると、L-OHPの感受性が減弱した。次に、L-OHP耐性大腸がん細胞の培養培地からエクソソームを単離し、real-time RT-PCR法によりそのmiRNAの細胞外エクソソーム中発現量を解析した。その結果、L-OHP耐性細胞由来のエクソソーム内においてもそのmiRNAは少ない傾向にあることを見出した。以上より、このmiRNAは細胞内でL-OHPの効果を増強し、尚且つL-OHPの治療効果の非侵襲的バイオマーカーになり得ることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

申請時の研究計画通り、過去の報告やデータベースなどを用い、miRNAのターゲットであり、L-OHP感受性を低下させる遺伝子を探索することを試みたが、候補となる遺伝子が見出せなかった。そのため、予定していた実験よりもやや遅れている。

Strategy for Future Research Activity

今後も継続してターゲット遺伝子の探索を行う。また、現在、大腸がんに用いられるイリノテカンやフルオロウラシルを大腸がん細胞に長期間処置することでこれらに対する耐性を獲得した細胞の樹立を試みている。今後、これらの耐性獲得細胞が樹立できしだい、当初の計画通り、マイクロアレイ解析及びreal-time RT-PCR法を用い、耐性獲得細胞において発現量が低下しているmiRNAを探索し、そのmiRNAが各種抗がん剤感受性を上昇させるか検証する。次に、それらの細胞を培養した培地からエクソソームを単離し、抗がん剤感受性への寄与を明らかにしたmiRNAのエクソソーム中発現量と抗がん剤感受性との関連性を明らかにすることを予定している。

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Published: 2021-01-27  

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