2020 Fiscal Year Annual Research Report
血清アルブミンを活用したシンプルながん指向性高分子化抗がん剤の開発
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19K16467
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| Research Institution | Sojo University |
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Principal Investigator |
月川 健士 崇城大学, 薬学部, 助教 (60772027)
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2019-04-01 – 2021-03-31
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| Keywords | アルブミン / ドラッグデリバリーシステム / がん / ピラルビシン / 酸性環境応答性 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
ヒト血清アルブミン（HSA）は、安全性（生体適合性、生分解性）、血中滞留性、がん指向性に優れる生体高分子である。このHSAと抗がん剤ピラルビシン（THP）を、ヒドラゾン結合を介して結合させることで、がん組織内の酸性環境でTHPを放出する、酸性環境応答性高分子化抗がん剤（HSA-THP）の開発に取り組んできた。本研究期間内では、HSA1分子当たりのTHP数が異なる2種類のHSA-THP（HSA-THP2、HSA-THP4）を作製し、酸性環境下でのTHP放出性や殺細胞効果、担がんマウスに対する抗腫瘍効果などについて検討を行った。
両HSA-THPからのTHP放出性を検討すると、両HSA-THPともに、中性環境下に比べ、酸性環境下でTHP放出が多くなった。子宮頸がん由来HeLa細胞に対する殺細胞効果は、中性環境下よりも酸性環境下において、より強いことが分かった。また、酸性環境下で予め処理したHSA-THPでは、殺細胞効果が増強された。これらの結果から、両HSA-THPが、酸性環境応答性を発揮することが確認された。両HSA-THP間では大きな差は見られなかった。続いて、担がんモデルマウスを用いて、がん組織集積性を検討した結果、元のTHPに比べ、両HSA-THPともにがん組織集積性が向上することを確認した。また、元のTHPより高い抗腫瘍効果を発揮することを明らかにした。担がんモデルマウスを用いた実験においても、両HSA-THP間で大きな差は見られなかった。以上のことから、これらHSA-THPは、有用な酸性環境応答性高分子化抗がん剤であることが示唆された。詳細な体内分布や生体内でのTHP放出性、副作用などについては今後の課題である。
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Research Products
(2 results)
