2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of interaction between intraocular pressure-derived mechano-stress and internal calcium kinetics in ciliary muscles
Project/Area Number |
19K16485
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
山口 陽平 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40831912)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | メカノバイオロジー / 眼内平滑筋 / 圧力刺激 / カルシウムハンドリング / 機械受容チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
眼圧というメカニカルストレスは毛様体筋の収縮・弛緩において重要な役割を果たすカルシウムハンドリングを修飾している。しかし、眼圧由来のメカニカルストレスが毛様体筋のカルシムハンドリングを変化させるメカニズムは、これまで全く研究がなされておらず未解明である。そこで、本研究計画では圧力刺激が毛様体筋細胞のカルシムハンドリングをどのように制御しているかを明らかにすることを目指している。当初の研究計画では、ガス圧による圧力刺激により毛様体筋細胞で圧誘発性カルシウムオシレーションが誘発されることに着目し、そのメカニズム解明を行おうとした。しかし、研究過程でガス圧による刺激は溶液内のガス分圧やpHなどを変えてしまい、圧力による現象なのかその他の要因による現象なのかを見分けられないことが分かってきた。そこで、静水圧による圧力刺激下にリアルタイムで細胞動態と細胞内カルシウム動態を観察できる圧力チャンバーの開発に着手し、その試作機の開発に成功した。その試作した圧力チャンバーを用いて毛様体筋細胞に静水圧を負荷したところ、圧誘発性細胞内カルシウムオシレーション現象の観測に成功した。しかし、COVID-19のパンデミックの影響で、令和2年度からウシ毛様体筋細胞の入手が困難となっている。そのため、代替実験として静止状態のマウス心筋細胞に対して高圧力負荷実験を実施したところ、圧誘発性収縮という新たな現象の観測に成功した。令和3年度3月の時点では、COVID-19のパンデミックの収束の見通しが困難であり、サンプルの入手が容易なマウスの筋細胞を用いた実験に計画を変更し継続する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年から始まったCOVID-19のパンデミックにより、所属研究施設の新規実験が開始できなくなったことに加え、ウシ眼球を提供して頂いている食肉処理施設に定期的に立ち入ることが困難となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
令和3年度前半にCOVID-19のパンデミックが収束した場合、当初の計画通り新規開発した圧力チャンバーを用いた毛様体筋細胞での実験を継続する。パンデミックの収束が難しい場合は、毛様体筋細胞の入手困難な状態が続くため、心筋細胞を用いた圧力負荷実験を継続し、新たに見出した現象である圧誘発性収縮のメカニズムを明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
COVID-19のパンデミックにより、所属研究機関での新規実験開始の制限および毛様体筋サンプルの入手が困難となり、令和2年度は当該予算を使用して計画に準じた実験を継続することが困難となった。そのため、令和3年度のCOVID-19のパンデミックの収束を期待して、研究期間を延長し、次年度に予算の一部を繰り越し、実験を継続する予定である。
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