2020 Fiscal Year Research-status Report
リソソーム内腔のイオン動態に着目した神経型Gaucher病の病態研究
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19K16489
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
徳留 健太郎 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (80805002)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | gaucher病 / パーキンソン症状 / リソソーム / pH / 塩化物イオン |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、令和1年度は、精製蛍光蛋白質の機能評価およびリソソーム内におけるCl-濃度を測定できる蛍光蛋白質の条件検討を行った。まず、精製蛍光蛋白質の蛍光特性評価では、変異を導入したEGFP変異体と赤色蛍光蛋白質をつないだものは、変異を導入しなかった場合と比較して、約1.2倍程度の蛍光強度の上昇が確認できた。昨年度に取得したEGFP変異体の蛍光強度の変化と結果を比較すると、その蛍光強度上昇の程度は昨年度の結果では、2倍近くの上昇であったのに対し、EGFP変異体と赤色蛍光蛋白質を連結させたものでは1.2倍であったため、連結させる際のアミノ酸配列や長さの変更あるいはEGFP変異体そのものの改良が必要であると予想された。 また、マウス神経芽細胞のリソソーム内にこの蛍光蛋白質を導入した細胞が実際にリソソーム内で機能するかどうかを評価した。緩衝液のpHやCl濃度を固定し、リソソーム内の各イオン濃度が変化するかどうかをその蛍光強度で評価した。pHの変化はオリジナルの蛍光蛋白質の論文同様に低pHではその変化は緩やかなままであった。また、Cl濃度を変化させた場合は、低pHではCl濃度上昇による蛍光強度の変化が小さかったが、変異を導入したものでは変異を導入しない場合よりもその変化が大きくなった。しかし、精製蛋白質で確認した結果とは、特に低濃度のCl-では一致しない結果が得られた。この点に関しては、より良い条件を探すことを来年度の課題とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度はCOVID19の影響で、約2か月間以上の研究活動の制限があり、思うように実験を進めることができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度は、この蛍光蛋白質がリソソーム内で正確に機能しているのかどうかを、他のpHあるいはCl-測定試薬等を用いた結果と乖離がないかどうかを調べる。同時に、リソソーム病の病態モデル細胞の作成とこの細胞でのイオン濃度の変化を評価することを目標とする。
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Causes of Carryover |
COVID19の影響で出張がなくなり、出張費が不必要であったため。
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