2019 Fiscal Year Research-status Report
L type calcium channel regulation of PKA phosphorylation via calmodulin
Project/Area Number |
19K16493
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
高 青華 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 特任研究員 (60813524)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | PKA / カルモジュリン / Cav1.2型チャネル |
Outline of Annual Research Achievements |
カルモジュリン (calmodulin,CaM) のCav1.2型チャネルへの活性調節には、Ca2+依存性促通(Ca2+-dependent facilitation, CDF)とCa2+依存性不活性化(Ca2+-dependent inactivation, CDI)が知られている。また、Cav1.2型Caチャネル遠位C末部の作用はチャネルの自己調節機構として抑制作用を持つことがよく知られている。我々の研究では、CT3DがCaMのCT1Bへの結合を抑制すること、また、モルモット心筋細胞にパッチクランプinside-out記録をして、電気生理学的実験によりCT3Dがチャネル活性を抑制することが分かった。該当年度にはPKAリン酸化がCT3のCT1との相互作用を介するチャネル活性調節に与える影響とそのメカニズムを解明する予定である。まず、低Ca2+濃度でCT3DのCaチャネル活性への抑制作用には濃度依存性があることが判明した。さらに、低Ca2+濃度でCT3DのCaチャネル活性への抑制作用はPKAcの作用により抑制されることが判明した。そして、変異CaMを作り、低Ca2+濃度と高Ca2+濃度で変異CaMのCaチャネル活性への作用が判明した。pull-down法でPKAリン酸化はCT3とCT1の結合を抑制したが、その抑制作用はCa2+濃度依存性がなかった。そして、CT3のCT1-CaM結合への作用が判明した。低Ca2+濃度では促進作用で、高Ca2+濃度では抑制作用ということが分かった。PKAリン酸化がCT3のCT1との相互作用を介するチャネル活性調節に与える影響とそのメカニズムを解明している。以上の結果には、一部分は論文を作って発表した(acceptされた)。他の結果は投稿する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
該当年度には低Ca2+濃度でCT3DのCaチャネル活性への抑制作用には濃度依存性があることが判明した。さらに、低Ca2+濃度でCT3DのCaチャネル活性への抑制作用はPKAcの作用により抑制されることが判明した。そして、変異CaMを作り、低Ca2+濃度と高Ca2+濃度で変異CaMのCaチャネル活性への作用が判明した。PKAリン酸化はCT3とCT1の結合を抑制したが、その抑制作用はCa2+濃度依存性がなかった。そして、CT3のCT1-CaM結合への作用が判明した。低Ca2+濃度では促進作用で、高Ca2+濃度では抑制作用ということが分かった。PKAリン酸化がCT3のCT1との相互作用を介するチャネル活性調節に与える影響とそのメカニズムを解明している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究の推進方策としては、PKAリン酸化がCDFとCDIの時のCaチャネル活性とそのCaM濃度依存性に与える影響を明らかにする。そして、PKAリン酸化がCaMのCT1への結合に与える影響のCa濃度依存性を明らかにする。 電気生理学実験ではCT1のPKAリン酸化可能性部位を変異させたGST融合ペプチドを作成し、パッチクランプinside-out記録法によりPKAcによるCaチャネル電流の変化を検討する。 質量分析実験では、CaチャネルCT1を精製後、PKAc処理をした後、質量分析法によりPKAリン酸化部位を同定する。リン酸化は、抗リン酸化抗体によるウェスタンブロット法でも確認する。 分子生物学実験ではCT1のPKAリン酸化可能性部位を変異させたGST融合ペプチドを作成し、CaMおよびCa2+結合を欠失させた変異CaM(CaM12、CaM34、CaM1234)との結合をpull-down法で解析し、CT1-CaM結合の分子機序を解明する。
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Causes of Carryover |
当該年度には早速にCaチャネルのPKAによる調節の分子機構が分かるために、電気生理学実験で物品費の消耗量はちょっと少ないので、当該年度請求額は使い切れませんでした。それで、翌年度分として請求した助成金と合わせた使用します。 今後の研究としては、PKAリン酸化がCDFとCDIの時のCaチャネル活性とそのCaM濃度依存性に与える影響を明らかにします。そして、PKAリン酸化がCaMのCT1への結合に与える影響のCa濃度依存性を明らかにします。そのために、CT1のPKAリン酸化可能性部位を変異させたGST融合ペプチドとCaMおよびCa2+結合を欠失させた変異CaM(CaM12、CaM34、CaM1234を作成し、パッチクランプinside-out記録法を実施し、他のリン酸化関係の薬品も必要です。
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[Journal Article] The LQT-associated calmodulin mutant E141G induces disturbed Ca2+-dependent binding and a vibration-like gating mode of the CaV1.2 channel.2020
Author(s)
Su J, Gao Q, Yu L, Sun X, Feng R, Shao D, Yuan Y, Zhu Z, Sun X, Kameyama M, Hao L.
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Journal Title
Am J Physiol Cell Physiol.
Volume: 318(5)
Pages: C991-C1004
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research