2019 Fiscal Year Research-status Report
嚢胞性線維症の非感染炎症応答における新規CFTR相互作用受容体の生理的意義の解明
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19K16508
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
福田 亮介 関西学院大学, 理工学部, 助教 (90825308)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 嚢胞性線維症 / 気道上皮炎症応答 / CFTR / タンパク質間相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
CFTR欠損時の気道上皮の非感染性炎症応答において新規CFTR相互作用分子であるEPHA2受容体の関与が示唆された. 本年度において, 計画していた通り, 炎症誘導機序解析を行なった結果, CFTRはEPHA2と相互作用し, 形質膜からのターンオーバーを促進することが示された. EPHA2のリン酸化変異体を作製し検討を行なった結果, EPHA2-Ser897のリン酸化が炎症誘導に必要であること, CFTRが気液界面培養時に生じるEPHA2-Ser897リン酸化を抑制していることが明らかになった. また, NanoBit systemを用いてEPHA2とリガンドの結合をリアルタイムで検出する実験系を独自に開発し, 解析に用いた結果, CFTRはチャネル機能依存的にEPHA2とリガンド相互作用の安定性を増加させることが示された. このCFTRによるEPHA2-リガンド安定化作用がEPHA2ターンオーバー促進に関与するものと考えられた. シグナル解析の結果, CFTR欠損による非感染性炎症応答時にはEPHA2-ERKシグナル経路が活性化されていることも明らかになった. 初代培養ヒト気管支細胞(primary-HBE cell) からconditional reprograming (CR) 細胞を作製することに成功し, 嚢胞性線維症(CF)患者由来のCR-HBE細胞の樹立に至った. CF-CR-HBEを分化させ, 気液界面培養時に誘導されるIL-8産生量を指標に EPHA2及びERK阻害剤の炎症抑制効果を評価した結果, EPHA2-ERK signalの阻害が抗炎症作用を発揮することも示された. これらの結果より, CFTR欠損時の非感染性炎症誘導の有用な標的シグナルの同定と機序を明らかにできたと考える.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CF病態の初期に生じる気道上皮の非感染性炎症応答における重要な因子の同定とその炎症誘導機構の一部を明らかにすることができた. CF-CR-HBEの評価系も確立し, 新規な抗炎症治療の標的シグナルも同定できたことから当初の予定よりも研究を進展させることができた. 一方でCFマウスの出生後の致死率が高く, 検討に必要なCFマウスの数を得られていない状況である. そのためEPHA2欠損CFマウスの作製等に遅れがあるため総合的にこの評価とした.
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Strategy for Future Research Activity |
当初予定していたCFTR欠損時の非感染性炎症誘導機構の解明はその大部分を今年度中に終えることができた. 次年度はCFモデルマウスを用いた評価を当初の予定通り進め, 研究成果を論文投稿, 学会発表により公表する予定である.
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Research Products
(2 results)