2020 Fiscal Year Annual Research Report
画像解析・ゲノム編集を組み合わせた難治性心筋症遺伝子変異の分子メカニズムの解明
Project/Area Number |
19K16518
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
増村 雄喜 大阪大学, 医学系研究科, 招へい教員 (60793437)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ハイコンテントイメージングシステム / ゲノム編集 / ヒトiPS細胞由来心筋細胞 / カルシウム動態 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ハイコンテントイメージングシステム(High Content Imaging System;HCS)を用いて、単細胞レベルで多検体の心筋細胞内カルシウム(Ca)動態画像および蛍光免疫染色画像を組み合わせたイメージング解析法を開発することを目的とした。2020年度は、心筋細胞サルコメアイメージング系の確立のため、Cas9ノックインマウス心筋細胞、及びヒトiPS分化心筋細胞におけるアデノ随伴ウイルス(AAV)を用いたゲノム編集による相同組み換え(HDR)誘導の実験系確立を行った。ミオシン調節軽鎖タンパク質をコードするMyl2遺伝子の3’末端にtdTomato蛍光タンパク質をノックインするため、gRNA及び修復テンプレートDNAを組み込んだAAVを作成した。8週例のCas9ノックインマウス成獣心臓組織の左室自由壁にAAVを投与すると、細胞周期S期侵入非依存的に、非分裂心筋細胞においてHDRが生じることを見出した。次いでこの方法を応用し、ヒトMYL2遺伝子をターゲットとしたtdTomato蛍光タンパク質のノックインを試みた。更に、ヒトiPS分化心筋細胞に対してAAVによる遺伝子導入により直接HDRを生じさせ、分化後の心筋細胞においてサルコメア収縮を可視化する系を確立し報告した。確立したゲノム編集による実験系を用いて、HCSと組みわせることで、HDRによりイメージング標識された個々の心筋細胞におけるCa動態解析を継続している。 また、不整脈源性心筋症症例から樹立した疾患iPS細胞に対してゲノム編集を行い、同定された遺伝子変異を修復あるいは変異を導入したアイソジェニックiPS細胞を作成し、これらを分化させた心筋細胞を用いて、HCSによるCa動態解析を行った。更に、得られた画像データ、Ca動態データをリンクさせるMATLABプログラムを構築し、第6回心筋症研究会にて報告した。
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[Presentation] ハイコンテントイメージング・数値計算ソフトウェアを用いた心筋症iPS 分化心筋におけるカルシウム動態解析2020
Author(s)
田端智香,肥後修一朗,増村雄喜,志波幹夫,小濱康明,近藤匠巳,亀田聡士,井上裕之,中村聡希,高島成二,宮川繁,澤芳樹,彦惣俊吾,坂田泰史
Organizer
第6回日本心筋症研究会