2019 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍局所の免疫担当細胞及びがん細胞の細胞内エネルギー代謝を標的とした治療薬開発
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19K16530
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
坂井 千香 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 研究員 (90622845)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん微小環境 / 制御性T細胞 / ミトコンドリア / 代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌、胃癌患者の腫瘍に浸潤したリンパ球のうち抗腫瘍活性のあるエフェクターT細胞(Teff)とその働きを抑制する制御性T細胞(Treg)についてエネルギー代謝に用いる栄養基質を調べた。 従来の腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の解析はTILを単離後に培地中で培養して行ったり、数時間にわたるソーティングによりサブセットに分離してから行うことが多かったが、本研究では腫瘍からリンパ球を単離後に速やかにフローサイトメーターによる解析を行うことで、代謝基質を解析した点で従来の研究と異なる。その利点としては、栄養リッチな培地等にいれることによる外部から取り入れた栄養基質の影響を受けずに腫瘍局所における状況をより反映した解析を行うことが出来る点である。 実際の解析ではこれまで明らかではなかった以下の知見が得られた。Tregでは腫瘍局所に蓄積している乳酸を栄養基質として使用しており、乳酸へエネルギー産生を依存する細胞の割合がTeffと比較して有意に高いことが分かった。さらに末梢血では乳酸をエネルギー基質に使用しているサブセットは認められなかったことから、腫瘍局所で特異的な代謝に依存するTregを選択的に標的としたがん免疫療法の開発につなげることができると考えられる。
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