2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
19K16538
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
山田 名美 岐阜大学, 大学院医学系研究科, 助教 (40727319)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 細胞指向性 / 細胞間コミュニケーション |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は1)大腸がん細胞が分泌するエクソソームの宛先(細胞指向性)を決定する分子の同定および、2)その分子を介したエクソソームの取り込み制御メカニズムを解明することを目的としている。 本年度は、大腸がん由来エクソソームの質量分析(LC-MS/MS)によって同定された、エクソソーム内包タンパク154種類に関して、既報論文やprotein data bankを参照し機能分析を行った。目的とした「エクソソームの宛先決定分子の同定」にはまだ至っていないが、現在も解析を続行中である。また、エクソソームの細胞間授受を描出するために、高解像度の蛍光顕微鏡システムの導入を開始した。 研究期間全体を通じて得られた研究成果については以下の通りである。 初年度は、大腸がん細胞が分泌するエクソソームに含まれるmiR-92a-3pが血管内皮細胞に取り込まれ、血管新生を誘導するメカニズムを解明し、International Journal of Molecular Sciences誌上で発表した。「がん微小環境における細胞間コミュニケーションの解明」というタイトルで2019年度日本解剖学会奨励賞を受賞した。 2年目はコロナ禍により実験中断を余儀なくされ、研究の進捗が遅れたが、大腸がん細胞が分泌するエクソソームに含まれるmiR-92a-3pの機能およびバイオマーカーとしての有用性に関する総説(欧文)を執筆し、Medical Molecular Morphology誌上で発表した。 3年目もコロナ禍による影響を受けた状態であったが、細胞外小胞を用いたがん細胞の生存戦略に関する総説(邦文)2報を発表した。「Extracellular vesiclesを用いたがん細胞の生存戦略」というタイトルで第53回日本臨床分子形態学会奨励賞を受賞した。
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