2019 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of adipocyte differentiation by Integrator complex
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19K16542
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大谷 裕一郎 広島大学, 病院(医), 助教 (00817091)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | コンディショナル / レンチウイルス / ノックダウン |
Outline of Annual Research Achievements |
まずInts6 コンディショナルノックアウトマウスの作成につき報告する。我々は14番染色体のInts6遺伝子のエクソン5を含むDNA領域 (1.1 kbp) をloxP配列で挟み、Cre recombinaseで切り出すことにより、第5エクソン以降でフレームシフトを起こす戦略を立てた。相同組み換えES細胞クローンの作製は順調に進んでおり2020年5月段階では少なくとも3クローンが得られている。ESクローンの早期胚への移植とキメラマウスの作成を行う予定で、広島大学自然科学研究支援開発センター生命科学実験部門動物実験部との共同で行う同意が得られている。次に細胞実験の経過について報告する。3T3L-1マウス前駆脂肪細胞(以下3T3L-1)が分化誘導刺激に対して正常に分化し形態的に脂肪細胞となることを確認した。我々の実験ではPparγ1,と2の遺伝子で共有されている3’側のエクソンに含まれる配列をプライマーとしたRT-qPCR ではノックダウンした細胞とコントロールの細胞に差を認めなかった。このことは、Pparγ2よりExonが多いPparγ1で正常にスプライシングが行われていることを強く示唆しており当初の仮説に矛盾が生じた。しかし、2019年末にこの複合体がmRNAに直接作用することにより転写制御を行うことが相次いで報告されたことから、我々はこの複合体がスプライシング機構を介さず、Pparγ2の転写制御に直接関わっていると考え、解析を進めている。現在はsiRNA を用いてInts6をノックダウンした3T3L-1に対してレンチウイルスを用いてPparγ2の過剰発現、Pioglitazoneの添加を行い脂肪細胞への分可能を検討している。次にマイクロアレイを用いた3T3L-1での遺伝子のプロファイリング変化の検討については計画段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在、Ints6、Pparγ のクローニングを行い、レンチウイルスベクターを作成中である。ノックダウン、過剰発現、分化誘導、そしてmRNAの回収は技術的に問題ない。しかしマイクロアレイを用いた実験でどのジーンチップを選択するか、その場合の予算など検討が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
本課題の中心となるのはコンディショナルノックアウトマウスで、それに備えて正常マウスでの各組織のINTS6発現、どの時期にタモキシフェンを加えるかなども合わせて検討していきたい。
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Causes of Carryover |
物品の価格が変動したため。
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