2022 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of adipocyte differentiation by Integrator complex
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19K16542
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
大谷 裕一郎 広島大学, 病院(医), 講師 (00817091)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | IntS6 / Integrator complex / diabetes mellitus / obesity |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度は、産生したタモキシフェン誘導性脂肪細胞特異的IntS6コンディショナルノックアウトマウス(以下IntS6 cKO)と野生型マウス(以下wt)の代謝プロファイリングの比較を中心に行った。脂肪組織抽出液を用いて行った通常のウエスタンブロッティングでIntS6の低下を示すことができ、遅滞なく解析に進んだ。主な結果を記載する。特に記述がなければリッターメイトコントロールを行ったオスマウスの解析結果である。IntS6 cKO、wtマウスにそれぞれ、通常食、高脂肪食を与え毎週体重の記録を行った。通常食を与えた群ではIntS6 cKO、wtの間に8週目の段階で有意な体重差は認められなかったが、高脂肪食を与えた群ではIntS6 cKOでで投与開始6週目から有意に体重の減少が認められた。この結果はパイロットスタディのIntS6 cKOマウスの解剖実験で肉眼的な脂肪の萎縮が認められたこととも一致する。脂肪分化関連の遺伝子ではC/EBPb, Pparg, C/ebpa, Fabp4 の低下が認められ、概ね3T3L-1マウス前駆脂肪細胞を用いた細胞実験をミミックする形であった。今回のIntS6 cKOはアディポネクチンプロモーター下でCre が発現する仕組みとなっているためアディポネクチンの発現が比較的少ない褐色脂肪組織ではノックアウトの効果精巣周囲脂肪組織、鼠径部脂肪組織と比較して低かった。Integrator complexの研究は近年非常に盛んとなっており重要な知見も次々と得られてきている。今回の我々の成果としてIntegrator complex と呼ばれる新規の巨大タンパク質複合体の1分子に肥満、糖尿病の治療ターゲットとしての可能性を見出したことにある。
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