2019 Fiscal Year Research-status Report
特発性間質性肺炎における正常肺組織DNAのモザイクパターン研究
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19K16552
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
竹本 暁 東京医科歯科大学, 統合研究機構, 特任助教 (70648112)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 特発性肺線維症 / DNAモザイク |
Outline of Annual Research Achievements |
種々の腫瘍におけるがんゲノムが明らかとなり、非腫瘍部/正常組織においても、ゲノム異常がモザイク状に蓄積することが報告されつつあるが、未だ正常肺組織におけるDNAモザイク変異パターンを明らかにした報告は少ない。本研究では、特発性肺線維症と診断され、東京医科歯科大学医学部附属病院にて外科的肺切除を施行された症例のうち、疾患バイオリソースセンターに病理凍結組織バイオリソースが保管された症例を対象としたエクソーム解析を行うことで、正常肺組織DNAモザイク変異パターンを明らかにする。これにより、特発性肺線維症の疾患関連遺伝子を同定し、難治疾患である特発性肺線維症の克服を目指すとともに、密接な関係にある「老化・炎症・発癌」の病態解明にも、重要な情報を提供するものと期待できる。 平成31年度は、当該研究に関し、東京医科歯科大学医学部遺伝子解析研究に関する倫理審査委員会に倫理申請を行い、滞りなく承認された。その後、特発性肺線維症症例を抽出し、病理学的に診断の妥当性について検証を行った。現在、試料活用委員会への申請に向けた準備を行っており、試料活用委員会で承認された後、疾患バイオリソースセンターから提供される肺正常組織から抽出したゲノムDNAの全エクソンシーケンスを行う。これにより、正常組織におけるモザイクパターンを明らかにする。さらに、特発性肺線維に特徴的な変異パターンを明らかにすることで、特発性肺線維に特異的な体細胞変異の同定も試みる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成31年度は、大きく研究活動を妨げるものはなく、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年3月11日にWHOによりパンデミック(国際的大流行)として認定された新型コロナウイルス感染症(Coronavirus disease 2019:COVID-19)のため、4月から5月にかけ、研究活動が制限されていたものの、2020年6月以降、徐々に研究活動の制限が解除されつつある。大学の定める方針に則って研究を進める。
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Causes of Carryover |
全エクソーム解析には1検体あたり約10万円程度の費用がかかる。一方、複数検体を一度にエクソーム解析することで、費用を節減することが可能であるため、解析予定の全検体を次年度にまとめて解析にかける。
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