2019 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
19K16557
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
野島 聡 大阪大学, 医学部附属病院 病理診断科, 准教授 (40528791)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 人体病理学 / イメージング / 組織透明化 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画に従い、正常大脳組織における血管イメージング条件を元に、腫瘍組織の随伴血管をイメージングするための条件検討を行った。組織検体としては、神経膠腫(Glioblastoma, WHO grade IV)のパラフィンブロック包埋組織を脱パラフィンして用い、透明化試薬の種類や処理時間、蛍光プローブの種類や染色条件について最適化を行った。条件検討の結果、検討した条件の中では、CUBIC-L, CUBIC-R+を用いて透明化処理を行い、Tomato-lectinを用いて染色した場合に、最も良好に腫瘍随伴血管のイメージングできた。この条件のイメージングにおいて、腫瘍随伴血管の走行や分布の不整さについて、明瞭にイメージングすることができた。 また、別の題材疾患である特発性心筋症についても条件検討を行った。その結果、CUBIC-HL, CUBIC-R+を用いて透明化処理を行い、SYTO16を用い染色した場合に最も、心筋細胞の走行について明瞭にイメージングできた。このイメージングにおいて、拡張型心筋症の心筋は心筋径が一定でなく、走行もやや錯綜していることが描出できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脳腫瘍内の血管構造、心筋症の心筋細胞配列について、良好にイメージングを行うための条件を確立できた。
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Strategy for Future Research Activity |
透明化試薬や蛍光プローブの条件設定を行うことにより、脳腫瘍組織内における血管の走行や形態、特発性心筋症における心筋細胞の走行や形態について、明瞭にイメージングを行う手法の確立に成功した。今後は、これらの定性的所見を数値化した定量的データとして示し、これを実際の臨床検体組織を用いて集学的に観察し、予後や治療抵抗性といった臨床的パラメータと比較検討する予定である。
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Research Products
(6 results)