2021 Fiscal Year Research-status Report
Comparative analysis of endometrial carcinoma and carcinosarcoma to identify prognostic factors.
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19K16565
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木原 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10806756)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 癌肉腫 / 子宮体癌 / SWI/SNF複合体 / ZEB1 / 上皮間葉移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、high-grade子宮体癌(grade 3 子宮体癌、漿液性癌、明細胞癌)と癌肉腫の蛋白発現形質や遺伝子異常などを比較し、両者に共通する異常を見出し、high-grade子宮体癌における臨床病理学的因子との関係性や、予後因子となりえるかを明らかにすることであった。2021年度は以下の内容を実施した。 子宮体癌の組織マイクロアレイ(約550例)を用いて、上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition, EMT)関連転写因子(ZEB1、SLUG、SNAIL、TWIST)の発現を免疫染色で評価した。その中で、特にZEB1が癌肉腫の肉腫成分で高発現しており、肉腫成分はEMTを起こしていると考えられる一方で、癌肉腫の上皮成分での発現は少数に認められるのみであった。それ以外にも脱分化癌や未分化癌、漿液性癌、明細胞癌、神経内分泌癌、類内膜癌G3にもZEB1が発現していた。特に、脱分化癌や未分化癌においては、その大半においてびまん性発現が認められた。脱分化癌および未分化癌は予後が極めて悪い高悪性の組織型であり、未分化成分では管状乳頭状構築や胞巣形成といった上皮性を示唆する形態を欠き、上皮性マーカーの発現低下や消失が認められる。癌肉腫と合わせて、ZEB1はEMTを呈する高悪性度腫瘍のマーカーとなりえることが示唆された。一方、その他の組織型ではZEB1の発現は少数にとどまり、脱分化癌・未分化癌とその他の組織型の病理組織学的鑑別において、ZEB1免疫染色はその一助にもなると考えられた。以上の内容について、論文化を行う方向である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究成果の一部においては論文発表を行い、継続してさらなる検討を継続している。しかし、コロナウイルス感染症の影響により一部実験に遅延が生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナウイルス感染症の影響で研究がやや遅延しているため。遅延した分の実験を行うため、試薬や解析費用として使用予定。
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Causes of Carryover |
コロナウイルス感染症の影響で研究がやや遅延しているため。遅延した分の実験を行うため、試薬や解析費用として使用予定。
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Research Products
(4 results)