2022 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative analysis of endometrial carcinoma and carcinosarcoma to identify prognostic factors.
Project/Area Number |
19K16565
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
木原 淳 自治医科大学, 医学部, 講師 (10806756)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 子宮体癌 / 癌肉腫 / 未分化癌 / 脱分化癌 / SWI/SNF複合体 / ZEB1 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、高悪性度子宮体癌(類内膜癌G3、漿液性癌、明細胞癌など)と癌肉腫の形質などを比較して両者に共通する異常を探索して、子宮体癌の予後因子や治療標的を見出すことであった。2022年度は以下の内容を実施した。2021年度に組織マイクロアレイによる検討で上皮間葉移行(epithelial-mesenchymal transition, EMT)関連転写因子ZEB1が癌肉腫の肉腫成分で高発現している一方で、癌肉腫の上皮成分ではほぼ陰性であることを見出した。他組織型でもZEB1発現を検討し、脱分化癌や未分化癌のほぼ全例に、漿液性癌・明細胞癌・神経内分泌癌・類内膜癌G3の一部にもZEB1が発現していた。癌肉腫の肉腫成分や他の高悪性度子宮体癌に陽性となることから特異度は高くないものの、ZEB1は感度の良い未分化癌・脱分化癌のマーカーと考えられた。一方で、ZEB1の発現と予後に明らかな相関はなく、ZEB1の発現は形態および免疫形質における上皮性分化の喪失に関与しているが、腫瘍の高悪性化への関与は低いことが示唆された (Kihara et al. Histopathology 2022)。 当初は癌肉腫の持つ形質が高悪性度子宮体癌の層別化に有用ではないかという仮説のもとに研究を進めた。症例集積の過程で、癌肉腫と診断されていた症例の中に、現在の分類で未分化癌・脱分化癌に相当する腫瘍が少なからず存在することが判明し、両者の共通点、相違点をまず明らかにすることが必要と判断した。その結果、研究期間内において、未分化癌・脱分化癌は癌肉腫よりも予後が悪いこと、SWI/SNF複合体サブユニットの機能喪失は癌肉腫には認められないこと、上記の通りEMT関連転写因子は両者に発現していて悪性度の差異に影響を与えていない可能性などが明らかとなった。
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Research Products
(5 results)