2022 Fiscal Year Annual Research Report
ADAM10に着目したHodgkinリンパ腫の癌微小環境解析
Project/Area Number |
19K16566
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
増田 渉 埼玉医科大学, 医学部, 助教 (00623464)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Hodgkinリンパ腫 / ADAM10 / 癌微小環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の目的:Hodgkinリンパ腫はHodgkin/Reed-Sternberg (HRS)細胞と呼ばれる特徴的な形態の大型腫瘍細胞が、多数の非腫瘍細胞を背景に増殖する悪性リンパ腫の一亜型である。近年著しい進歩を遂げた分子標的療法や免疫チェックポイント阻害剤は非腫瘍細胞を治療標的とし、腫瘍における癌微小環境の重要性が認識されてきている。a disintegrin and metalloproteinases 10 (ADAM10)は、HRS細胞の生存に必要なNotchの他にCD30や複数のサイトカインの分泌調整を行うproteinaseの一種である。本研究の目的はHodgkinリンパ腫がADAM10とその基質分子を介して構築する癌微小環境中の分子機構の解明である。 方法と結果:Hodgkinリンパ腫の培養細胞株にADAM10阻害剤を投与して経時的に観察したところ、細胞同士が固着して大型集塊状となる現象homotypic cell aggregationを認めた。この現象はHodgkinリンパ腫の亜型の結節硬化型由来のL-428細胞株で認め、他の細胞株(L-540, HDLM-2, KM-H2)では認めなかった。ADAM10阻害剤投与群と非投与群から抽出したRNAを用いてマイクロアレイ解析を行い、ADAM10阻害剤で発現変化した遺伝子を得た。この発現変化した分子を元にHodgkinリンパ腫患者の腫瘍組織で免疫組織学的解析を行い、さらに患者の臨床的特徴を合わせて解析したところ、2つの予後良好因子(Hodgkin/Reed-Sternberg cellにおけるCXCR5発現消失と非腫瘍細胞におけるMHC classⅡ発現)を認めた。しかし、Hodgkinリンパ腫患者の腫瘍組織においてADAM10発現はほとんどみられず、腫瘍組織において予後因子との関係性は解析できなかった。
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Research Products
(2 results)