2020 Fiscal Year Research-status Report
膠芽腫の新規グリオーマ幹細胞マーカーLEFTYの同定、機能解析、そして臨床応用
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19K16567
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
秋谷 昌史 北里大学, 医学部, 助教 (80836099)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膠芽腫 / LEFTY / Nodal / apotosis |
Outline of Annual Research Achievements |
膠芽腫(GBM)組織では、アポトーシス細胞の平均数は、非壊死性腫瘍領域と比較して、非Ps壊死性病変とPs病変の両方で有意に多かったのに対し、Ki-67 LIは後者で有意に多かった。アポトーシス状態はLEFTY、CA9、およびpGSK-3スコアと正の相関があったが、Ki-67LIと検索したIHCマーカーの間に関連は認めなっかた。KS-1細胞をCoCl2で処理すると、細胞生存率の低下とともに、紡錘細胞から円形細胞の特徴への用量依存的な形態学的変化が生じた。また、特に指数関数的成長期において、増殖速度を低下させる傾向があった。細胞周期の進行中にサブG1画分が増加し、SおよびG2 / M画分が減少した。これは、RbおよびpRbの発現の減少とp53非依存性p21waf1の発現の増加と一致していた。LEFTYとNodalが低酸素条件下でアポトーシスに対する感受性に影響を与えるかどうかを調べるために、LEFTYまたはNodalのいずれかを安定して過剰発現するKS-1細胞を確立した(KS-LEFTYとKS-Nodal)。 2つの安定細胞株は、CoCl2誘導アポトーシスに耐性を示した。これは、サブG1画分の減少と、断片化カスパーゼ-3発現と一致しいたが、XIAPおよびbax/bcl2とは一致しなかった。KS-LEFTY細胞とKS-Nodal細胞はどちらも、コントロール細胞よりも増殖率が高かった。細胞を血清飢餓によって静止状態にし、続いて血清で刺激した。細胞周期への放出後9時間および24時間で、KS-LEFTY細胞とKS-Nodal細胞の両方がSまたはG2 / M画分の増加を示し、これはサイクリンA2、サイクリンD1、およびp21waf1の発現の増加と一致した。更に、p27kip1発現の減少。 Rb、pRb、pAkt、およびGSK-3の発現に違いはなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
低酸素環境とLEFTY発現機構、TGF-beta1とSmad系とLEFTY発現の関連性について、膠芽腫の臨床検体や培養細胞株で分子病理学的に検索を進める。
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Causes of Carryover |
今年度は順調に実験が進んだため、比較的経費を抑えることができた。今年度の余剰分を次年度の検索予定で難航することが予想されるLEFTY発現と低酸素環境に関する実験に使用する予定である。
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