2020 Fiscal Year Research-status Report
粘液型脂肪肉腫におけるテロメア維持機構を通じた腫瘍進展メカニズムの解明
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19K16570
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Research Institution | Japanese Foundation for Cancer Research |
Principal Investigator |
山下 享子 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 研究員 (50754975)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 粘液型脂肪肉腫 / テロメア維持機構 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん細胞の無限増殖性に重要な役割を果たすテロメア維持機構には、①テロメラーゼ活性化と、テロメラーゼに依存しないalternative lengthening of telomeres (ALT; テロメラーゼ非依存性テロメア伸長)、の2種類が知られている。粘液型肪肉腫はTERTプロモーター変異が高頻度に認められる数少ない肉腫として知られているが、少数例でALTが認められ、それらは相互排他的ではないと報告されている。本研究では、免疫染色やPCR、FISH法などを用いて両方のテロメア維持機構、さらにその原因となる遺伝子変化について調査する。 がん研有明病院で粘液型脂肪肉腫の原発巣切除手術を行った83症例につき、まず円形細胞領域の割合や多形性の有無、脂肪細胞分化の程度などについて組織学的評価を行ったところ、これまでの報告通り、明らかな円形細胞領域が一定以上の割合で認められる症例は、予後の悪い傾向にあった。組織アレイを作製し、Telomere-specific FISHを施行したが、ALTを示す症例は確認されなかった。TERT遺伝子のプロモーター領域における点突然変異(C228T or C250T)は、7割強の症例で認められたが、予後との関連ははっきりしなかった。凍結検体よりRNAが採取できた症例でmRNA発現量をreal-time PCRで判定したところ、TERTプロモーター変異がない症例でも、TERT mRNAの発現が認められた。こうした症例では、プロモーター領域における代表的な変異(C228T or C250T)以外のTERT活性化機構の存在が考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
粘液型脂肪肉腫について、臨床病理学的評価に加え、ALTの有無、TERT遺伝子のプロモーター領域における点突然変異(C228T or C250T)の有無、テロメア長測定など、基本的なデータは揃ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
TERT遺伝子のプロモーター領域における点突然変異(C228T or C250T)がなくても、比較的高いTERTの発現が認められた症例について、TERT遺伝子において増幅や再構成、プロモーター領域のメチル化など、癌腫で報告されているような異常がないか検索していく。
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Causes of Carryover |
CGHアレイや次世代シーケンサーによる解析など、高額な実験はまだ施行していないため。
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Research Products
(2 results)