2023 Fiscal Year Research-status Report
肺癌病理診断におけるデジタルパソロジー技術及び人工知能の有用性の検討
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19K16573
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
寺田 志洋 信州大学, 医学部, 特任助教 (10712789)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 肺癌 / 予後予測 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、人工知能を活用し肺癌の病理組織学的情報を分析、処理することで、予後に関わる形態学的情報の客観的評価を可能にすることを目的とした。この定量化された病理組織学的情報に基づいた客観的な予後因子の評価により、精度の高い予後予測が可能になると考えた。これに関連し、本年度では下記の研究を行った。 ・肺癌切除検体において、腫瘍内微小環境を評価するために、肺癌腫瘍組織中のCD8陽性T細胞、Foxp3陽性T細胞、PD-L1 TPSを人工知能を用いて定量的に測定した。これらを用いて作成したパラメータが肺癌切除症例において予後予測に有用である可能性を示した。この内容について論文を作成、投稿し、acceptされた。 上記研究において、肺癌の病理組織学的情報を定量的に測定するうえで人工知能は非常に有用なツールであった。肺癌病理診断において客観性、かつ再現性のある病理組織の評価を可能にする人工知能は、今後の肺癌病理診断の発展に少なからず貢献できるものと考えられる。 今後は肺癌切除症例において、HE染色、AE1/AE3染色を行なった病理スライドを用いて、腫瘍構成成分の面積を各成分ごとに人工知能を用いて定量的に測定し、予後因子を探索していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
肺癌切除症例において、HE染色、AE1/AE3染色を行なった病理スライドを用いて、腫瘍構成成分の面積を各成分ごとに人工知能を用いて定量的に測定したが、その測定結果の解析、解釈に時間を要している。
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Strategy for Future Research Activity |
測定したデジタルデータの解析を進める。
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Causes of Carryover |
新型コロナ感染症の流行や社会情勢の悪化により海外学会への参加が困難になったこと、また、学会発表がweb開催となったことなどによる。翌年度分は、病理スライドの購入や免疫染色のための試薬の購入、および論文投稿料などに使用する予定である。
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