2020 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍微小環境に着目した新規予後予測因子の解明と分子標的治療への応用
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19K16595
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Research Institution | Kochi Gakuen College |
Principal Investigator |
三木 友香理 高知学園短期大学, その他部局等, 准教授(移行) (70397876)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / マクロファージ / 細胞傷害性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、昨年度に引き続き、腫瘍微小環境に存在する免疫担当細胞が浸潤や転移にどのように関与しているかを解析することを目的とした。 前年度に引き続き、免疫組織化学染色を行った肺癌、胃癌、大腸癌、乳癌各40症例の腫瘍間質に存在する免疫担当細胞のうち最も重要な役割を担うとされる腫瘍関連マクロファージ(TAM)および細胞傷害性T細胞(CTL)の分布について、正常領域の細胞数と腫瘍領域の細胞数を算定した。さらに、MIB-Ⅰindexによる腫瘍増殖能、免疫チェックポイント分子PD-L1の発現についても数値化し、臨床病理学的因子(年齢、性別、部位、腫瘍径あるいは深達度、組織型、脈管侵襲の有無、Stageなど)との関連について統計学的解析を行った。 さらには、各症例の術前の末梢血血液データを抽出し、血中リンパ球および単球の血液データと摘出組織の正常領域および腫瘍領域における各細胞の分布、さらに上記記載した臨床病理学的因子との関連を中心に統計学的解析を行った。 さらに、今後 in vitro での解析を行うにあたり、単球から炎症性マクロファージであるM1および抗炎症性マクロファージであるM2マクロファージへの分化誘導を必要とする。単球は健常人末梢血からCD14陽性細胞のみを分取して分化誘導に用いる予定であるため、末梢血から、細胞への負担が少なく、より効率的に、より純度の高いCD14陽性細胞を分取するための方法を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血液データとの関連について、解析データが多数のため、一部終了できていない。 また、末梢血からのCD14陽性細胞を分取するにあたり、一定の割合で他の細胞が混入してしまうという結果が生じている。できる限り、純度の高い細胞を分取するための手技を獲得したい。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、純度の高いCD14陽性細胞の分取を行い、これを用いて、マクロファージの分化誘導を行う予定にしている。分化誘導後の細胞は、フローサイトメーターにて表面マーカーを確認したうえで、腫瘍細胞株への投与、さらには投与後の培養上清中のサイトカインの検出を試みる。
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Causes of Carryover |
細胞分取において実験手技の検討が必要となり、研究が思うように進んでおらず、研究費使用にも遅れが生じている。また、輸入品のキットや試薬の納品の遅れが生じている。早急に研究ペースを取り戻し、積極的にin vitroでの研究を進めていくとともに、研究費の適切な使用を厳守したい。
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