2021 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍微小環境に着目した新規予後予測因子の解明と分子標的治療への応用
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19K16595
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
三木 友香理 岡山大学, 医学部, 客員研究員 (70397876)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 腫瘍微小環境 / マクロファージ / 細胞傷害性T細胞 / サイトカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、単球からM1およびM2マクロファージに分化誘導させ、各種腫瘍細胞株との共培養を試みた。腫瘍細胞株は、前年度までに解析を行った組織標本に合わせ、肺癌細胞株は扁平上皮癌のLK-2と腺癌のRERF-LC-Ad1、胃癌細胞株としてNUGC-3、大腸癌細胞株としてDLD-1、乳癌細胞株としてMCF-7をJCRB細胞バンクから購入し、十分に増殖させた後、実験に用いた。 末梢血からCD14陽性単球の分離をいくつかの方法で試みたが、十分な細胞数を単離できなかったため、購入した細胞を用いた。R&D社のHuman M1(M2) Macrophage Differentiation Kitを用いて、M1およびM2マクロファージを分化誘導させた。誘導後はフローサイトメーターを用いて、細胞表面マーカーの確認も行った。 各種腫瘍細胞とM1およびM2マクロファージを共培養し、開始から24時間後、48時間後、96時間後の腫瘍細胞数の変化を検討したが、腫瘍細胞の単独培養と比較して、M1およびM2マクロファージと共培養した際の腫瘍細胞数に大きな差は認められなかった。 また、96時間後の培養上清をそれぞれ回収し、各種サイトカインの定量を行った。サイトカインの定量にはBioLegend社のLEGENDplexを用いて、マクロファージ関連サイトカインおよび炎症性サイトカインについて解析を行った。コントロールと比較して、M1あるいはM2マクロファージとの共培養で変化のあったサイトカインについて、現在、前年度までに免疫担当細胞の染色に用いた組織標本での免疫組織化学染色を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
マクロファージへの分化誘導に用いる単球を末梢血から単離するためにいくつかの手法を用いて試みたが、十分な細胞数を確保するに至らなかった。これについては、市販のCD14陽性細胞を用いることとした。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージと腫瘍細胞との共培養によって変化のあったサイトカインについて、組織標本での免疫組織化学染色ならびにin situ hybridizationを試みる。
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Causes of Carryover |
研究計画の際に計上していた情報収集及び研究打ち合わせのための学会や研究会への参加が十分に達成できておらず、残額が発生している。 最終年度である今年度も十分な学会参加ができない可能性も考慮し、研究に必要な消耗品などを計画的に使用する予定である。
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