2020 Fiscal Year Annual Research Report
免疫微小環境解析による加齢性EBV関連B細胞リンパ増殖異常症の病因・病態解明
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19K16597
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
加藤 省一 愛知県がんセンター(研究所), 個別化医療TR分野, 研究員 (30584669)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | EBV / 加齢性EBV関連B細胞リンパ増殖異常症 / 医原性免疫不全関連リンパ増殖異常症 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢性Epstein-Barr virus (EBV) 関連B細胞リンパ増殖異常症(EBVBLPD)について、その免疫微小環境プロファイルの特徴を抽出するために、まずデジタルカウント遺伝子発現解析(nCounter)にて、医原性免疫不全関連のEBVBLPD(I-EBVLPD)のうちメソトレキセートの投与歴がありその休薬のみにより自然寛解した症例群と比較検討した。クラスタリング解析では両症例は混在し、独立したクラスターを形成しなかったため発現免疫微小環境プロファイル上は両者は類似している可能性が示唆された。ただ両症例群で2倍以上有意に発現量に差のあった遺伝子がいくつか見つかったためさらに検討を進めている。 抗PD-1抗体療法の治療効果予測のためのマイクロサテライト(MSI)不安定性の有無の検討において、固形癌にて治療対象となりうる高頻度MSI不安定性(MSI-High)はmismatch repair (MMR) 遺伝子がコードしているタンパクの免疫染色とよく相関することが知られている。加齢性EBVLPD症例におけるMSI不安定性の検索のために、MMR蛋白であるMSH6、PMS2の免疫染色をスクリーニング検査として行ったが13例いずれもMSH6、PMS2タンパク質の発現に異常はなく、MSI不安定性は示唆されなかった。 その他、加齢性EBVBLPDの対照群の一つであるEBV陰性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)における免疫微小環境の臨床病理学的意義について解析したところ、中枢神経原発もしくは腸管原発EBV陰性DLBCLにおいては微小環境構成免疫細胞にPD-L1が陽性の症例は予後良好であることが示された。
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