2019 Fiscal Year Research-status Report
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19K16602
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
室 龍之介 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 特別研究員 (80761262)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | γδ / 胸腺 / Syk / IL-17 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は以前、IL-17産生型gdT (gdT17) 細胞の分化にSyk依存的なTCRシグナルが不可欠であることを報告した。本研究課題では、gdT細胞におけるSykの活性化因子を同定し、gdT細胞における詳細なシグナル伝達機構の解明を目的とした。Sykの活性化にSrc family kinase(SFK)が関与すると考えられている。BlkはSFKの一つである。Blkを欠損するマウスではgdT17の分化が障害されると報告されており(Laird et al, J Immunol 2010)、BlkがSykの活性化を制御する可能性がある。申請者はCRISPR/Cas9法によってBlkを全身性に欠損するマウス(Blk KO)を作成した。Western blotによりBlkタンパク質が脾臓にて消失していることを確認した。生後1日目のBlk KOマウスの胸腺gdT細胞を解析したところ、gdT細胞の分化に大きな変化は認められなかった。また、gdTCRシグナル伝達も正常であった。さらに、PMAとイオノマイシンによってgdT細胞を刺激し、Blk欠損gdT細胞サイトカイン産生能を評価した。その結果、IFNg産生型gdT細胞およびgdT17の細胞数は野生型マウスと同等であった。これらの表現系はSyk欠損マウスとは大きく異なり、BlkがSykの活性化に関与する可能性は低いことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CRISPR/cas9法を活用することで、迅速にBlk KOマウスを樹立することができた。申請者の成果から少なくともBlkはgdT細胞のシグナル伝達や分化に関与しておらず、Sykの活性化に不要であることを示している。過去の報告と申請者の結論に不一致が生じた理由として、細胞の刺激時間や刺激に用いた試薬が異なることに起因していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究成果からBlkが胸腺gdT細胞の活性化に不要であることが示された。しかし、Blkは活性化した末梢gdT細胞に発現が認められ、解析の余地が残されている。また、T細胞の分化や活性化に必要なSFKの候補としてLckが挙げられる。今後、Lck KOマウスを作成し、gdT細胞の分化、活性化、機能に焦点を絞り解析を進める予定である。
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[Journal Article] Soluble RANKL is physiologically dispensable but accelerates tumour metastasis to bone.2019
Author(s)
Asano T, Okamoto K, Nakai Y, Tsutsumi M, Muro R, Suematsu A, Hashimoto K, Okamura T, Ehata S, Nitta T, Takayanagi H.
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Journal Title
Nature metabolism
Volume: 1
Pages: 868-875
DOI
Peer Reviewed
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