2020 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of tumor microenvironment using tissue clearing technology
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19K16604
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山城 恵生 (高橋恵生) 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (30836226)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 組織透明化技術 / がん微小環境 / 3次元イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までの研究で、組織透明化技術と遺伝子改変マウスを用いて、マウスのリンパ管および血管を可視化するモデルを立ち上げた。また、細胞周期を示すFUCCIレポーターシステムを発現するがん細胞株を作製し、それらをマウスへと移植することで、さまざまながん細胞移植モデルを確立した。これら確立したモデルを使って、本年度は以下2点について研究を進めた。 1)組織透明化技術により観察されるマウスのリンパ管および血管の3次元構造について、共同研究先とともに数学的手法による新たな評価系を立ち上げた。また、メラノーマ細胞を用いた実験肺転移モデルにおいてがん転移とリンパ管を同時に可視化する系では、それらの3次元距離を解析することに成功した。その結果、がん転移とリンパ管の相互の距離が時間経過とともに縮まっていることが示唆された。 2)肺がん細胞や乳がん細胞のFUCCIレポーター発現株を用いて、さまざまながん細胞移植モデルでの転移巣における細胞周期を観察した。その結果、同じがん細胞でも臓器によってその転移巣の形や大きさが異なることのみならず、細胞周期のパターンにも違いがあることを見出した。また、同じ臓器内に存在するがん転移巣の間でも、細胞周期のパターンが異なる場合があることもわかった。次にFUCCIレポーター発現株を用いて抗がん剤の効果を評価した。複数の抗がん剤を評価したが、中でも低濃度の5-FU処理によってがん細胞が緑色を示し、細胞周期がS/G2/M期で停止することがわかった。さらにマウスでの実験肺転移モデルにおいて5-FUを投与すると、転移巣の周辺部が緑色を示し、in vitroと同様にS/G2/M期で停止することが示唆された。
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