2019 Fiscal Year Research-status Report
新規包括的1細胞解析による腫瘍浸潤T細胞クローン応答の俯瞰図の解明
Project/Area Number |
19K16620
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
七野 成之 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 助教 (70822435)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 1細胞TCRレパトワ解析 / がん免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者独自の高感度包括的SCT法TAS-Seqを基盤として、数千-数万のT細胞が持つ抗原受容体と、数千の遺伝子発現情報を同時解析する新たな手法HPRT-Seqの開発、並びにHPRT-Seqにより、がん免疫において多様な抗原特異的T細胞の応答がどのように惹起され、最適化・疲弊・メモリー形成が生じるのかを解明することを目的とした。 2019年度は、申請者の開発した高感度scRNA-seq解析法TAS-Seqライブラリを用い、HPRT-Seq法のライブラリ作成手法の検討および最適化を実施した。長鎖環状2本鎖cDNAが得られるメイトペアシーケンスライブラリ調整法を検討した結果、Gibson assembly法はほとんど産物が得られなかったのに対し、Creリコンビナーゼを用いた手法は全体の工程を通して約5%の変換効率、USER cloning法を用いた手法は約10-20%の変換効率であることが見出され、USER法が最も高効率に変換できることが明らかとなった。また、USER cloning法においてgap ligationに用いる酵素を検討したところ、T4 DNA ligaseは短鎖の副産物が生成したのに対し、改変型Taq DNA ligase (Taq Hifi DNA ligase, NEB)は短鎖の副産物は生じず、artificialなligation産物が少ないことが見出され、ligation効率は同程度であったことから、Taq DNA ligaseのほうがT4 DNA ligaseよりも適切であることが見出された。本手法を用いてヒトの胃がん生検検体をHPRT-Seqにより解析したところ、約92%のペアリング効率と、従来60%程度であった、3'末端cDNA scRNA-seq法由来のscTCR-seq法を大幅に上回る効率を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2019年度は、当初の予定以上にHPRT-seq技術の確立がほぼ完了するとともに、従来技術を大幅に上回るパフォーマンスを示すことが見出されたこと、また、解析困難なヒト胃がん生検検体のscTCR-seq解析が可能であることまで検証が進んだため。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度は、HPRT-Seq法の特許申請をすすめるとともに、完成されたHPRT-seq法を用いて、bulk TCR-seq法を組み合わせ、担がんマウスモデル、またヒト胃がんの腫瘍浸潤T細胞のレパトワ変動と、その全身循環における頻度・機能解析を進め、がん免疫において多様な抗原特異的T細胞の疲弊・メモリー形成といった応答とクローン応答の関連を、1細胞単位で明らかとすることを目指す。
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Causes of Carryover |
2019年度は、予定していたマウスなど動物実験の実施を2020年度に一部延期することとしたため、次年度仕様額が生じた。2020年度は当該マウス実験を含め動物実験・シーケンス解析、特許申請、学会、論文発表のため研究費を使用する。
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Research Products
(5 results)
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[Presentation] 6.担がん患者における抗CD4抗体投与後のTCRレパトア変動の解析2019
Author(s)
青木寛泰, 上羽悟史, 七野成之, 荻原春, 設樂紘平, 中面哲也, 鈴木利宙, 下村真菜美, 北野滋久, 山下万貴子, 伊藤哲, 土井俊彦, 松島綱治
Organizer
第5回骨免疫学会
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[Presentation] 担がん患者における抗CD4抗体投与後のTCRレパトア変動2019
Author(s)
青木寛泰, 上羽悟史, 七野成之, 荻原春, 設樂紘平, 中面哲也, 鈴木利宙, 下村真菜美, 北野滋久, 山下万貴子, 伊藤哲, 土井俊彦, 松島綱治
Organizer
第28回日本癌病態治療研究会