2020 Fiscal Year Annual Research Report
感染防御性免疫が誘導するNK細胞活性化とレトロウイルス感染防御機構の解明
Project/Area Number |
19K16622
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
加藤 茂樹 近畿大学, 医学部, 助教 (90790767)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | がん / 転移 / NK 細胞 / レトロウイルス |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍誘発マウスレトロウイルスとウイルス感染防御性マウスモデルを用いて宿主免疫応答,特に感染早期の NK 細胞の活性化機構と腫瘍排除機構の解析を行った.このウイルスの C 末端側エピトープを認識する CD4 陽性ヘルパー T 細胞を免疫しておくと,感染および感染細胞の腫瘍化を防げることが明らかにされていたが,腫瘍排除の詳細なエフェクター機構は不明であった.本研究においては,テトラマー抗体とフローサイトメトリー解析を駆使して,この腫瘍排除過程において抗原特異的な濾胞ヘルパー T 細胞の早期分化・増殖の亢進を明らかにした.このとき,これらエフェクター細胞が分泌する IL-21 の発現が亢進しており,NK 細胞上の IL-21 受容体に作用して NK 細胞の成熟・活性化 (NKG2D, CD69 発現上昇) を誘導することを明らかにした。さらに、C 末端側エピトープ CD4 陽性ヘルパー T 細胞を免疫し,かつウイルスを感染させたマウスから NK 細胞を分離し,別の免疫していない感染マウスに移植すると,ウイルスが排除されることを明らかにした. 次に CD4 陽性 T 細胞を C 末端側エピトープで感作した感染防御性マウスは,NK 細胞上の IL-21 受容体発現が亢進していることで IL-21 に対する感受性を高めていることも明らかにしたが,これは NK 細胞上の CD154 (CD40 L) が感染早期に樹状細胞およびマクロファージの CD40 から刺激を受容することで IL-21 受容体の発現を調整していることに起因していることを明らかにした.
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Research Products
(3 results)