2021 Fiscal Year Research-status Report
T. cruzi 感染刺激による宿主オートリソソーム形成抑制機構の解明
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19K16626
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鬼塚 陽子 群馬大学, 大学院保健学研究科, 助教 (30710058)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Trypanosoma cruzi / SNARE 複合体 / オートファジー |
Outline of Annual Research Achievements |
クルーズトリパノソーマ (Trypanosoma cruzi, T. cruzi) は、中南米で流行しているシャーガス病の原因となる細胞内寄生原虫である。この原虫の細胞内分裂増殖機構や病態形成メカニズムは不明な点が多く、原虫は宿主防御反応に対する回避システムを有し、生き延びていると考えられる。宿主応答の一つとして細胞内タンパク質分解機構のオートファジーが挙げられる。この機構は小胞体から隔離膜が伸長し、不要物を包み込んだオートファゴソームを形成後、リソソームと融合することでオートリソソームとなり、内容物を加水分解する。これまでに、T. cruzi 感染細胞では、宿主オートファジーの初期過程は活性化するが、オートファジーは完了せず、原虫は増殖・生存することを明らかにした。特にオートリソソーム形成が抑制されていることから、本研究ではオートリソソーム形成に関わるSNARE (soluble N-ethylmaleimide-sensitive attachment protein receptor) 複合体(syntaxin17: stx17, Vesicle-associated membraneprotein 8: VAMP8, Synaptosomal-associated protein of 29 kDa: SNAP29) に焦点をあて、T. cruzi 感染による宿主オートリソソーム形成抑制機構を明らかにする。 T. cruzi 感染細胞において、stx17 は感染9時間後にタンパク質発現量が減少し、オートファゴソームへの局在も減少した。そこで、Stx17 と相互作用する因子を探索するために原虫感染細胞ライセートを用いたpull down assay を行い、LC-MS/MS によるプロテオーム解析を行なったところ、いくつかの原虫側因子が同定された。同定された因子の解析を進めるため、これら因子に対する抗体を作製し原虫内局在を調べたところ、細胞質およびキネトプラストに局在していることが明らかになった。現在、感染細胞内にてStx17 と共局在するか解析を進めている
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
同定した候補因子のノックアウト (KO) 原虫を樹立する予定であったが、候補因子の解析に時間を要しており実現に至らなかったため、遅れていると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
同定された原虫側候補因子に焦点を当てて、申請内容に沿い実験を遂行する。作製したT. cruzi の候補因子の抗体を用いた感染細胞内局在を調べ、他に同定された候補因子についても解析を進め、CRISPR/Cas9 法を用いたKO 原虫の作製に取り掛かる。KO 原虫を樹立後は、宿主細胞の感染率およびStx17の局在変化、オートリソソーム形成の有無を顕微鏡下で観察し、原虫側因子の機能解析を進める。
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Causes of Carryover |
参加予定であった学会がオンラインとなり旅費の未使用額が生じた。3年度の未使用額は、KO 原虫作製のための試薬、相互作用因子探索のための試薬購入やLCMS/MS解析などの外注費に充てる。4年度経費の主な用途は消耗品・試薬で、内訳として細胞培養に必要な培地、血清、ディスポーザブルピペット等のプラスチック製品、抗体、遺伝子改変細胞用作製試薬などがあげられる。また、in vivo 実験用のマウスの購入が必要である。さらに、国内学会に参加し、研究成果を発表するための旅費も計上した。
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Research Products
(2 results)