2019 Fiscal Year Research-status Report
血液内における未知の生体内菌発育必須因子の同定および血流感染症特異的治療法の評価
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19K16648
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 豊孝 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30756474)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 生体内菌発育必須因子 / 血流感染症 / 大腸菌 / vivoEF阻害剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者はこれまでに独自のスクリーニング法を用いて血液内でのみ抗菌活性を示す化合物(vivoEF阻害薬)を複数同定した。一部のvivoEF阻害薬は補体抵抗性因子である莢膜の発現を抑制することを発見した。しかし、莢膜が作用点とならないvivoEF阻害薬も多く認められた。これら一連の研究成果を踏まえ、vivoEF阻害薬を用いて多剤耐性菌が血流感染症を成立させる上で必須な未知のvivoEFを同定し、本vivoEF(阻害薬)が多剤耐性菌を含めた細菌性血流感染症特異的治療薬・予防薬の有用な候補となり得るかを評価する。 本年度は、これまで得られたvivoEF阻害薬のRNA-Seq解析を実施し、それぞれの添加した培地での菌培養によって発現が変動する細菌遺伝子を網羅的に同定した。本遺伝子の中に血液内での菌の生存に必須な因子であるvivoEFが含まれている可能性が高い。また、TraDIS解析(Transposon Directed Insertion Sequencing)解析に必要なTransposon mutant libraryの作成も完了した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は当初の計画通り、これまで作用が未知であったvivoEF阻害薬のRNA-Seq解析を完了できたため。また、TraDIS解析(Transposon Directed Insertion Sequencing)解析に必要なTransposon mutant libraryの作成も完了できたため。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度では血液成分存在下でtransposon mutant libraryを培養し、TraDIS-seqにより、同様に血液内での菌の生存に必須な因子であるvivoEFを網羅的に同定し、本結果とRNA-seqの変動遺伝子の結果とを組み合わせることにより、それぞれのvivoEF阻害薬が作用するvivoEFの同定に取り掛かる。また有用なvivoEF阻害薬に関しては、RT-PCRやマウス感染系などを用いてさらなる詳細な血流感染症特異的抗菌活性効果について評価を行う計画である。
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Causes of Carryover |
当初より計画が順調に進んだため前倒し請求を行ったが、その後の研究実施が計画より若干遅れ本請求額に対する余剰額が発生したため。本余剰額は本年度で遅れた計画(TraDIS解析の評価)を遂行するため次年度にて捻出する計画である。
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