2019 Fiscal Year Research-status Report
ミトコンドリア形態を利用した肺炎クラミジア感染戦略の解明
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19K16659
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
栗原 悠介 福岡大学, 医学部, 助教 (30747192)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ミトコンドリア |
Outline of Annual Research Achievements |
クラミジアを始めとする細胞内寄生菌は、マクロファージの殺菌作用に抵抗性を示し、その中で増殖することが可能である。そのため、細胞内寄生菌による感染症は重篤かつ難治性の場合が多い。特にクラミジア感染症は、性感染症の他に動脈硬化やアルツハイマーとの関連も報告されており、成人病患者の増加と高齢化が進む我が国において懸念される感染症の1つである。ミトコンドリアは、好気的ATP産生の他、炎症応答、Ca2+シグナル伝達やアポトーシスなど様々な細胞機能において中心的な役割を果たす。近年、ミトコンドリアの形態が様々な細胞機能を制御することが明らかになっており、免疫細胞においても、その活性がミトコンドリアの形態に依存するという報告が数多くされている。 本申請の目的は、ミトコンドリアの形態を利用した肺炎クラミジアの感染戦略を解明する事である。具体的に、①マクロファージへの持続的な感染メカニズム、②感染マクロファージの脂肪蓄積(泡沫化)メカニズムという2つのプロセスに着目している。 現在、初代培養マクロファージ(BMDM)、マクロファージ様細胞株(J774.A)いずれにおいても、感染に伴うミトコンドリアの形態変化が確認できている。今後はその形態変化が①におけるクラミジアの持続的な感染に関わるのか否か、もし関わるのであれば持続感染のどのステップに関わるのかを明らかにしていく予定である。②に関しても、関与の有無、関与する場合は具体的な作用機序を明らかにしていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルス拡大の影響により、研究活動が制限されている。 そのため、当初の研究計画から、やや遅れてしまっている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、初代培養マクロファージ(BMDM)、マクロファージ様細胞株(J774.A)いずれにおいても、クラミジア感染に伴うミトコンドリアの形態変化が確認できている。今後はクラミジア感染に伴うミトコンドリア形態変化が、マクロファージにおけるクラミジアの持続的な感染に関わるのか否か、もし関わるのであれば持続感染のどのステップで、どのようにして関わるのかを明らかにしていく予定である。また、クラミジア感染によるマクロファージの泡沫化メカニズムに関しても、クラミジア感染に伴うミトコンドリアの形態変化が、マクロファージ泡沫化に関与しているのか否か、もし関与しているのなら、泡沫化のどの工程でどのように関与しているのかを明らかにする予定である。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染拡大に伴い、研究活動が制限されているため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は研究計画を遂行する為に、実験の外注費用などにも充てる事を検討している。
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