2020 Fiscal Year Annual Research Report
組換えウイルスを用いたエボラウイルスポリメラーゼ複合体の微細構造解析
Project/Area Number |
19K16666
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Research Institution | National Institute of Infectious Diseases |
Principal Investigator |
高松 由基 国立感染症研究所, ウイルス第一部, 主任研究官 (00750407)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | エボラウイルス / ヌクレオカプシド / 組み換えウイルス / ライブセルイメージング解析 / 電子顕微鏡解析 / ポリメラーゼL / 転写制御因子VP30 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者は前駆研究でエボラウイルスのヌクレオカプシド(NC)の輸送に必須なウイルスタンパク質としてNP, VP35, VP24を同定し、この3つのウイルスタンパク質のみでNCの基礎となるヌクレオカプシド様構造(NCLS)が形成され、細胞質内を長距離輸送されることを示した(Takamatsu, et.al. PNAS. 2018)。一方でポリメラーゼ本体であるLとウイルスゲノム転写制御因子VP30は、NCの形成に必須ではないことを明らかにした。これまで、LとVP30のNC内での局在は分かっておらず、NC 形成タンパク質間の相互作用についても不明な点が数多くあった。 そこで本研究では、ウイルスタンパク質にペプチドタグまたは蛍光タンパク質標識を行い、蛍光発現組換えウイルスの構築を目指した。実際にLまたはVP30に蛍光タンパク質を組み込んだ組換えウイルスを構築し、感染性ウイルスをレスキューすることに成功した。これらを用いて共同研究先であるドイツ国でウイルス感染実験を行う予定であったが、COVID-19の影響で海外出張が難しくなり、予定していた一連のウイルス実験は延期を余儀なくされた。一方で、VP30がNCLSの形成にどのように関わるのか、種々のVP30変異体を蛍光タンパク質標識することで、NCLSとVP30変異体の相互作用について詳細な解析を行うことができた(論文投稿準備中)。更に、界面活性剤でエンベロープを処理することで、内包されているNCまたはNCLSを溶出させることに成功し、世界に先駆けて、VP30及びLの局在を免疫電顕法で確認することができた。今後は感染性ウイルスを用いた実験を完了させると共に、タグを利用した免疫沈降法によるNCの精製効率を高めて、NCまたはNCLSの微細構造解析を進める予定である。
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Research Products
(4 results)