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2020 Fiscal Year Research-status Report

北方系ヤブカを用いたデングウイルスおよびジカウイルスの感染評価系の確立

Research Project

Project/Area Number 19K16675
Research InstitutionRakuno Gakuen University

Principal Investigator

内田 玲麻  酪農学園大学, 獣医学群, 講師 (50756723)

Project Period (FY) 2019-04-01 – 2022-03-31
Keywordsジカウイルス / デングウイルス / 北方系ヤブカ / 感受性 / ウイルス変異 / Quasispecies
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、北方に分布するヤブカにおける、デングウイルス(DENV)およびジカウイルス(ZIKV)感受性、媒介能を明らかとし、蚊体内で起こるウイルス変異を同定することを目標とする。2020年度は①ヒトスジシマカとネッタイシマカを用いた北方系ヤブカとのZIKV感受性の比較、ならびに②2019年度に作成したZIKV感染ヤマトヤブカを用いた次世代シークエンサー(NGS)によるZIKVのゲノム評価を目標に研究を行った。
①北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターの澤先生、江下先生らの協力のもと、2019年度に北方系ヤブカを用い実施したのと同様の装置を用い、ヒトスジシマカおよびネッタイシマカにZIKV MR766株、6.00(log10) Focus formation units (FFU)/mlを含む馬保存血(ウイルス血液)を経口摂取させた。吸血5日目以降、体内のいずれかの部位よりウイルスが検出された蚊の割合(感染率)はヒトスジシマカ57.1%(12/21匹)、ネッタイシマカ63.6%(7/11匹)であり、昨年度実施したヤマトヤブカ27.2%(9/33匹)と比べると、ヤマトヤブカとヒトスジシマカの間でのみ、フィッシャーの正確確率検定で感染率に有意差が見られた(p=0.044)。
②2019年度の実験で得られたZIKV感染ヤマトヤブカよりRNAを抽出し、ウイルスゲノム全域を標的としたreverse transcription PCR (RT-PCR)を行った。得られたPCR産物を断片化、インデックスを付加し、精製後、NGS解析に共試した。得られたFASTQファイルはCLC Genomics workbenchによりクオリティチェック、インデックス配列除去、リファレンスシークエンスに対するマッピングを行い、Variant解析により変異率の算出を行った。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

2020年度は上記①、②を目標に掲げ、その9割程度が達成された。ヒトスジシマカおよびネッタイシマカを用いた実験では、ほぼ計画通りのデータが得られた。一方、NGSによるZIKVのゲノム評価については、シークエンスラン自体は成功しており、今後、詳細な解析を行っていく予定である。加えて、現在、当初予定には含めていなかったが、別の蚊属(イエカ属の蚊)を用いたZIKV感染実験も進めており、こちらも併せて感染性および体内に存在するZIKVのゲノム評価を行っていく。
上記の実験に関しては、申請者の研究機関で蚊の実験室コロニーが維持できていないことから、2020年度同様、北海道大学 人獣共通感染症国際共同研究所の澤先生、江下先生らと共同で進める事で了承を得ている。なお、ウイルス感染実験や蚊のゲノム編集技術習得のため、フランス国立開発研究所、Dr. Rodolphe HAMELを訪問する予定であったが、新型コロナウイルスの影響により、今後の訪問の予定は未定である。
以上を勘案し、海外渡航について不透明性はあるものの、研究自体に直接的に影響を与えるものではないと考え、現在までの進捗状況について、(2)おおむね順調に進展していると判断した。

Strategy for Future Research Activity

補助事業期間中の研究実施計画に基づき、2021年度はNGSデータの解析および論文投稿を進める。併せて、昨年十分なデータが得られなかった垂直伝播の評価、および蚊唾液中のZIKVのゲノム評価を行っていく。一昨年度から延期され、新型コロナウイルス流行のため渡航の目途がたたないフランス国立開発研究所への訪問に関しては、期間中に訪問できない場合も考慮し、オンライン会議や、研究計画に計上された予算を別の実験の試薬購入等に充てることを検討する。
NGSデータ解析に関しては、申請者の研究機関で管理する解析ソフトCLC Genomics workbenchおよび統計解析ソフトRを用い進めていく。得られた変異率のデータを基に、各部位(腹、脚・翅部および頭・胸部)や感染後日数、種に特異的なQuasispeciesの特徴をクラスター解析や主座標分析(あるいは主成分分析)等により明らかにしていく。また、特徴的なアミノ酸変異が見られた場合は、本変異に伴う構造変化の予測を併せて実施していく。

Causes of Carryover

2020年度に延期されていたフランス国立開発研究所への訪問がまだ出来ていないため。なお、新型コロナウイルス流行のため渡航が叶わない場合、別の実験の試薬購入等に活用する事を検討したい。また、繰越金に関しては、NGS解析に必要な核酸定量装置や消耗品の購入に活用したい。

  • Research Products

    (2 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results)

  • [Journal Article] 北海道の野生動物を用いたマダニ媒介性ウイルス調査と新規マダニウイルスの検索2021

    • Author(s)
      内田 玲麻
    • Journal Title

      地域ケアリング

      Volume: 23 Pages: 43~47

  • [Journal Article] Effect of chemical tick control practices on tick infestation and Theileria parva infection in an intensive dairy production region of Uganda2020

    • Author(s)
      Miyama Takeshi、Byaruhanga Joseph、Okamura Ikuo、Uchida Leo、Muramatsu Yasukazu、Mwebembezi William、Vudriko Patrick、Makita Kohei
    • Journal Title

      Ticks and Tick-borne Diseases

      Volume: 11 Pages: 101438~101438

    • DOI

      10.1016/j.ttbdis.2020.101438

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research

URL: 

Published: 2021-12-27  

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