2019 Fiscal Year Research-status Report
Identification of trans-interacting receptors for CADM1
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19K16708
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊東 剛 東京大学, 医科学研究所, 助教 (20733075)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 細胞接着 / タンパク質ライブラリー |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞接着分子CADM1は免疫グロブリンスーパーファミリー (IgSF) に属し、同分子種あるいはIgSFに属する異分子種と相互作用し、細胞接着に寄与する。CADM1の発現異常は様々な病態に関与し、成人T細胞白血病 (ATL) に高発現するCADM1は血管内皮細胞との接着を介して臓器浸潤を亢進し、またCadm1遺伝子欠損マウスは精子細胞においてCADM1の欠如によるセルトリ細胞からの脱接着が起こり雄性不妊となる。しかしながら、血管内皮細胞及びセルトリ細胞においてCADM1と相互作用する分子は同定されていない。本研究は、申請者が独自に作成したIgSFタンパク質ライブラリーとCADM1との相互作用を網羅的に検討することによりCADM1の新規相互作用分子を同定すること、さらにCADM1が関与するATL細胞の臓器浸潤及び精子細胞の成熟の分子機構を明らかにすることを目的として行った。 本年度は、細胞表面に局在するIgSFの細胞外領域にFcタグを付加したIgSF-Fcタンパク質ライブラリーの作成を行い、約300種類の精製タンパク質を得た。さらにCADM1-FLAGタンパク質と既知のCADM1結合タンパク質との相互作用をAlphaテクノロジー及び表面プラズモン共鳴イメージング法により確認し、網羅的相互作用解析の準備を整えた。加えて、CADM1の接着不全変異体を作製し、T細胞白血病の臓器浸潤にCADM1の接着活性が重要であることを示唆する結果を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
CADM1とIgSF-Fcタンパク質ライブラリーとの網羅的相互作用検出系を予定通りに確立し、またATL細胞の臓器浸潤を検出する実験系を構築したことから、当初の計画通りに進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
CADM1の結合分子をIgSFタンパク質ライブラリーを用いて探索し、新規結合分子を同定した場合にはATL細胞の臓器浸潤、精子細胞とセルトリ細胞との接着に関与するかどうかを検討する。
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