2020 Fiscal Year Annual Research Report
癌幹細胞の腫瘍抗原性調節による大腸癌免疫療法の検討
Project/Area Number |
19K16712
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中西 祐貴 京都大学, 医学研究科, 特定助教 (40838679)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 癌幹細胞 / 癌免疫療法 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんは、本邦のがん罹患の第1位、がん死の第2位を占める。特に遠隔転移を伴う大腸癌の予後は悪く、治療成績の改善は喫緊の課題である。近年注目される癌免疫療法は複数の癌腫において有効性が確認されているが、大腸癌においてはごく一部の症例のみでしか奏功せず、治療抵抗性メカニズムの解明、および新規治療ストラテジーの樹立が強く期待されている。一方、癌幹細胞は、癌の発生・維持に加えて浸潤や転移など発癌の各ステップで重要な役割を果たすとされている。本研究では、大腸癌幹細胞に高発現し、免疫原性を調節する因子の同定と、同分子の阻害が癌に及ぼす効果について検討した。 研究者らは、ApcMin/+マウスを用いた解析から、免疫原性を負に調節するCD47が大腸癌幹細胞分画で高発現することを見出している。本年度はCD47の癌幹細胞での役割を検討するため、CD47f/fマウスを入手し(神戸大学 的崎教授より提供)、Lgr5-EGFP-IRES-creERT2;Ctnnb1lox(ex3)/+マウスと交配し、Lgr5-EGFP-IRES-creERT2;Ctnnb1lox(ex3)/+;CD47f/fマウスを作出した。同モデルでは、タモキシフェン投与により、Lgr5-EGFP陽性癌幹細胞特異的にWnt/bカテニンシグナルを活性化させて腫瘍新生をきたすと同時に同細胞でCD47をKOすることが可能である。Lgr5-EGFP-IRES-creERT2;Ctnnb1lox(ex3)/+マウスとLgr5-EGFP-IRES-creERT2;Ctnnb1lox(ex3)/+;CD47f/fマウスを比較することで、CD47 KOにより腫瘍数の減少が確認された。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] 長尾宗政, 福田晃久, 尾松万悠紀, 並川実桜, 薗誠, 福永裕一, 益田朋典, 荒木理, 吉川貴章, 小川智, 平松由紀子, 津田喬之, 丸野貴久, 中西祐貴, 妹尾浩2020
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[Presentation] SWI/SNF複合体のサブユニットであるBrg1はマウス膵癌の増殖・転移に重要である2020
Author(s)
荒木理, 福田晃久, 津田喬之, 薗誠, 長尾宗政, 吉川貴章, 小川智, 平松由紀子, 丸野貴久, 中西祐貴, 妹尾浩
Organizer
日本癌学会学術総会
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[Presentation] クロマチンリモデリング因子Brg1は膵がんの増殖・転移に重要である2020
Author(s)
荒木理, 福田晃久, 津田喬之, 尾松万悠紀, 並川実桜, 薗誠, 益田朋典, 福永裕一, 吉川貴章, 長尾宗政, 平松由紀子, 丸野貴久, 中西祐貴, 妹尾浩
Organizer
膵臓