2019 Fiscal Year Research-status Report
肉腫における炎症性サイトカインのマクロファージを介した役割の解明
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19K16717
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 圭一郎 九州大学, 大学病院, 助教 (70782621)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Ewing肉腫 / TAM |
Outline of Annual Research Achievements |
マクロファージはがん微小環境を構成する細胞の一種であり、腫瘍随伴マクロファージTumor associated macrophage(TAM)は血管因子の産出、細胞外基質の改変などを介し腫瘍の成長に関わっているとされる。腫瘍の産出するサイトカインがマクロファージに作用することがその一因とされており、当初はがん抑制に働くマクロファージが腫瘍とのサイトカイン相互作用により、腫瘍の成長を促進するように働く。肉腫にはEwing肉腫のように高い炎症反応を特徴としたものもあり、腫瘍から産出される炎症性サイトカインががん微小環境の中でマクロファージを介して腫瘍の成長に影響を与えている可能性が考えられる。 炎症性サイトカインの一種であるMCP-1(monocyte chemoattractant protein-1)を肉腫細胞株に安定過剰発現させ、ヌードマウス皮下に移植し、生着した腫瘍を病理切片で確認したところ、腫瘍内浸潤血管の増加が確認された。腫瘍からマクロファージを回収し解析したところ、基質分解酵素の発現が上昇しており、腫瘍から産出されるMCP-1ががん微小環境の中でマクロファージの質的変化をおこし、血管新生が誘導されることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
In Vitroでの解析が予定より遅れているため
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Strategy for Future Research Activity |
レンチウイルスを使用した安定過剰細胞株の作成、およびマウス皮下への腫瘍細胞株の移植、MACSを使用した腫瘍からのマクロファージ回収、Luciferase Assayを使用した肺転移評価の実験系は完成しており、予定の実験の実現は可能と考えている。
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Causes of Carryover |
既存の物を使用したため、物品を購入する必要がなかった。 次年度はマウスの購入等の物品費が必要である。
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