2019 Fiscal Year Research-status Report
ADAM9を標的とし、NK細胞傷害活性増強による癌自然免疫療法の開発
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19K16723
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
荒井 潤 昭和大学, 医学部, 助教 (30766176)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ADAM9 / MICA / 肝細胞癌 / NK細胞 / ロイコトリエン拮抗薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
i) ADAM9活性阻害に寄与する薬剤の探索、活性阻害反応の最適化検証 ・rhADAM9,基質を用いてin vitro ADAM9 assay systemを構築した。ADAM9の酵素活性を抑制する薬を抽出するためFDA承認薬ライブラリーの各薬を混合しADAM9酵素活性を基質の切断効果として吸光度で測定した。 ・候補薬としてロイコトリエン拮抗薬であるモンテルカスト、プランルカストが同定された。さらに両薬は濃度依存的なADAM9の酵素活性抑制効果を認めた。 ii) ロイコトリエン拮抗薬がADAM9抑制を介してMICA切断阻害に関与しているかの検討 ・ヒト肝癌細胞株(HepG2、PLC/PRF/5)を用いて、ロイコトリエン拮抗薬が実際に肝癌細胞株におけるMICAの切断阻害に関与するかを検証した。肝癌細胞株の膜型MICAの発現量をフローサイトメトリーで評価した。 結果としてモンテルカスト、プランルカストの処理により膜型MICAの増加が確認された。siRNAでADAM9のノックダウン処理をした上でモンテルカスト、プランルカストの投与を行ったところ、膜型MICAの増加は認めなくなり、モンテルカスト、プランルカストが実際にADAM9抑制を介してMICA切断阻害に関与することのproof of conceptを得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記i) ADAM9活性阻害に寄与する薬剤の探索、活性阻害反応の最適化検証 および ii) ロイコトリエン拮抗薬がADAM9抑制を介してMICA切断阻害に関与しているかの検討が予定通り進み、drug screeningに成功したため。
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Strategy for Future Research Activity |
MICAはNK細胞による殺細胞作用に必要なリガンドであり、引き続き癌細胞上の膜型MICAが増強されることで、癌細胞がNK細胞に排除されうるかの検証を進めていく。 すなわち、候補薬処理有無の肝癌細胞株とNK細胞を共培養し候補薬がNK細胞傷害活性に与える作用を評価する予定である。
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Causes of Carryover |
薬剤Screening後の候補薬について可溶型MICAへの影響を評価する際に、使用するELISAキットが少なくて済んだため予定使用額よりも少ない額で研究が可能であった。上記記載したロイコトリエン拮抗薬の他に、もう1種類候補薬の可能性がある薬剤があり現在調査中である。同薬を用いたin vitro ADAM9 assayシステムの評価の他、肝癌細胞において膜型MICAに与える影響も引き続き進めていく。
次年度は培養細胞に投与する薬剤及び試薬類、フローサイトメトリーによる細胞表面抗原解析用抗体、sMICAの血液濃度測定用キットの他に、NK細胞と肝癌細胞の共培養の実験で必要となる試薬類も発注する予定である。
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Research Products
(1 results)