2021 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍関連マクロファージ/ミクログリアの分極化制御によるグリオーマの増殖抑制
Project/Area Number |
19K16725
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中野 洋輔 関西医科大学, 医学部, 助教 (40776530)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ミクログリア / グリオーマ / 腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア |
Outline of Annual Research Achievements |
脳に発生するグリオーマは、腫瘍関連マクロファージ/ミクログリア(TAM)によって保護され、集学的治療を施しても予後が非常に悪い。報告者は、グリオーマと腫瘍微小環境を多層の構造物(グリオーママルチレイヤー)としてとらえ、腫瘍組織と正常組織の境界付近で炎症性のM1型ミクログリアが一過性に増加すること、さらには、腫瘍形成能が高い細胞株では、M1型ミクログリアが少ないことを明らかにした。本申請課題では、TAMを構成するミクログリアのサブタイプに着目し、ミクログリアの分極化を制御することで、グリオーマの進展抑制を試みた。 2021年度では、2020年度で得られたU87-CSCにおいて、既知の癌幹細胞マーカーであるSSEA-1がU87MGと比較して高発現しているという結果をもとにELISAによる解析を実施し、U87-CSCが培養条件下における癌幹細胞のモデルとして有用であることを示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度では、U87-CSCにおいて、既知の癌幹細胞マーカーであるSSEA-1がU87MGと比較して高発現していることから、年度予定を一部変更し、U87-CSCでSSEA-1についての細胞分離を行った。ソーティング後のSSEA-1陽性細胞または陰性細胞の集団をマウスの脳実質内に移植した結果、SSEA-1陰性細胞集団を移植したマウスの方が生存率が低い傾向がみられた。一方で、ソーティング後のSSEA-1陽性細胞または陰性細胞についてシングルセル解析を実施したが、有意な差は得られなかったため、2021年度はSSEA-1についてin vitroでのタンパクレベルでの発現解析を主として実施した。また、コロナ禍の影響で学生教育に想定以上のエフォートを割く必要があり、その結果、当初計画よりも遅れが生じることとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度まで研究期間を延長し、本年度までで達成できなかったin vivoにおけるミクログリアの分極化誘導試験と、新たにSSEA-1がin vivoでの腫瘍微小環境に与える影響も調べる。これらの結果をまとめ、グリオーマの進展抑制による新規治療法の基礎的知見を得る。
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Causes of Carryover |
2021年度はコロナ禍における教育活動に多くのエフォートを割く必要があったため、2021年度に当初計画していた実験で使用する予定だった試薬や実験動物の一部を購入しなかった。次年度使用額は、2021年度で実施することができなかった実験、および2021年度の知見に対するより詳細な実験を遂行するために使用する予定である。
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Research Products
(2 results)