2019 Fiscal Year Research-status Report
食道扁平上皮癌におけるガレクチン9の抗腫瘍作用の解明と標的microRNAの同定
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19K16747
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
千代 大翔 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50769346)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ガレクチンー9 / 食堂扁平上皮癌 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
【背景】進行食道癌は依然予後不良の疾患であり,新たな抗癌化学療法の開発は急務である.ガレクチン-9(Gal-9)はTim-3経路を介してTh1やTh17細胞のアポトーシスを誘導し,免疫調整因子として重要な役割を果たすことが知られている.我々は今回Gal-9の食道扁平上皮癌の抗腫瘍効果とその機序についてin vitro, in vivoで検討を行った.【方法】1.食道扁平上皮癌細胞(KYSE150, KYSE180)にGal-9を添加し,細胞増殖アッセイを行った.2. KYSE150を用い異種移植モデルマウスを作成し,Gal-9を投与した. 3.Gal-9を添加した食道扁平上皮癌細胞株をフローサイトメトリーと比色分析法を用いて,アポトーシス誘導効果とカスパーゼ(-3, -4, -7, -8, -9) 活性を評価した.4.Gal-9投与後のミトコンドリア膜電位の変化を評価した.5.Western blottingでアポトーシス関連分子の動態とシグナル伝達経路について検討した.【結果】Gal-9は,食道扁平上皮癌細胞株の増殖を濃度依存性に抑制した.また異種移植マウスモデルにおいてGal-9を投与により腫瘍増殖を有意に抑制した.Gal-9によりAnnexinⅤ陽性細胞の増加とcaspase-3の活性化がみられ,またミトコンドリアの膜電位を消失させ,食道扁平上皮癌細胞のアポトーシスを誘導していた.さらにGal-9はJNKとMAPKp38のリン酸化を誘導し,細胞質内ではcytochrome c, Smac/Diablo, HtrA2/omiの増加を認めた.以上よりGal-9は食道扁平上皮癌細胞株においてミトコンドリア経路のアポトーシスを誘導し,細胞増殖を抑制することが示唆され、その機序としてJNKやMAPKp38の活性化の関与が示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ガレクチンー9の直接的な抗腫瘍効果に関する検討は終了し、ひとまず報告できる形となっている。また追加での検討としてガレクチンー9投与後に変化するmicroRNAの検討を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
ガレクチンー9投与後に変化するmicroRNAの検討を行う予定である。
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Causes of Carryover |
初年度に細胞株、実験動物、実験試薬、アレイチップ等に使用。次年度でmicroRNA用のアレイチップ、プライマー、コンピュータ等購入予定である。
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[Journal Article] Galectin-9 Induces Mitochondria-Mediated Apoptosis of Esophageal Cancer In Vitro and In Vivo in a Xenograft Mouse Model.2019
Author(s)
Chiyo T, Fujita K, Iwama H, Fujihara S, Tadokoro T, Ohura K, Matsui T, Goda Y, Kobayashi N, Nishiyama N, Yachida T, Morishita A, Kobara H, Mori H, Niki T, Hirashima M, Himoto T, Masaki T
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Journal Title
International Journal of Molecular Sciences
Volume: 20
Pages: 2634
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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