2020 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌大規模コホートを用いたがん代謝を標的とする革新的新規治療の開発
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19K16750
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小澄 敬祐 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (50594884)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 消化器癌 / がん代謝 / 腫瘍免疫 / マイクロバイオーム / 腫瘍微小環境 / ライフスタイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、日米の消化器癌データベースを対象に、がん代謝マーカー・腫瘍因子・腫瘍免疫・マイクロバイオームの網羅的解析を行い、腫瘍微小環境内におけるがん代謝の機能を解明する事である。 食道癌臨床検体において、腫瘍内Fusobacterium nucleatum (Fn)量は、リンパ球浸潤形式のひとつである腫瘍内peritumoral lymphocytic reactionと有意な逆相関を認めた。また、末梢血%Lymphocyteとも有意な逆相関を認め、食道癌においてFnが局所及び全身のリンパ球浸潤を制御する可能性が示した。飲酒・喫煙などのライフスタイルが食道癌発癌寄与すると考えられている。飲酒・喫煙が食道粘膜上のFnを増加させ発癌・癌進展に寄与すると仮説を立て検証した。しかし、本研究において腫瘍内Fnとアルコール摂取量および喫煙(Brinkman Index)に有意な相関は認めなかった。また、肥満度の指標であるBody mass indexとも有意な相関は認めなかった。化学療法や化学放射線療法が腫瘍内Fnに影響を与える可能性がある。実際にpT別に腫瘍内Fnと術前治療内容の関連を検討すると、pT1・pT3・pT4では術前に化学放射線治療が行われている症例で腫瘍内Fnが多い傾向にあった。次に腫瘍内Fnとがん代謝(NRF2・LSD1・SUVmax)の関連を検討した。腫瘍内Fnと癌細胞におけるNRF2の発現レベルおよびSUVmaxに有意な相関を認めなかったが、腫瘍内FnはLSD1発現レベルと有意に正の相関を示した。 ライフスタイルの欧米化に伴い大腸癌の罹患数は急激に増えており、時に緊急手術となることがある。大腸癌緊急手術症例は予後であり、その大腸癌緊急手術症例における予後規定因子を検討し、その結果を報告した。また、閉塞を伴う閉塞性大腸癌においてその腸内細菌叢は大きく変動していると考えられる。閉塞性大腸癌における腸管減圧法と病理学的悪性度に関して検討を行い、その結果を報告した。
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Research Products
(6 results)