2021 Fiscal Year Research-status Report
遺伝子制御部位に注目した高悪性度紡錘形細胞肉腫の遺伝子発現解析と新規治療法開発
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19K16753
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
赤池 慶祐 順天堂大学, 医学部, 非常勤助教 (60801719)
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Project Period (FY) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 軟部肉腫 / 筋原性分化 / myostatin / 平滑筋肉腫 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、各遺伝子に複数存在する転写開始点・プロモータ・それに伴うエンハンサの発現を解析するCAGE(Cap Analysis of Gene Expression)法を用いて、骨軟部肉腫における網羅的遺伝子発現プロファイリングを行っている。昨年度までに得られた24例の軟部肉腫検体を対象としたCAGE解析データをもとに、本年度は高悪性肉腫群(High-grade myxofibrosarcoma(HGMFS)および未分化多型肉腫(UPS))と高悪性度肉腫であるものの免疫染色により筋原性への分化が確認されるPleomorphic Leiomyosarcoma(pLMS)に注目し、両群間で遺伝子発現についての比較を行った。その結果、myostatinという筋肉の分化を負に司る遺伝子(ノックアウトのフェノタイプとしては筋肉の肥大がみられる)の発現がPLMS群において有意に低いことが確認された。さらに、HGMFS, UPS, PLMSの臨床病理検体を用いてmyostatinの免疫染色を行ったところ、HGMFS, UPSではびまん性の染色を認めた一方で、PLMSでは全く発現を認めない、あるいは部分的に発現を認めるのみであった。また、PLMSで部分的にmyostatinの発現を認めた症例については、Desminとmyostatinの二重染色を行ったところ、両者はほぼ相互排他的な発現を示すことを確認できた。以上より、myostatinは軟部肉腫の分化において、筋原性への分化に深く関与していることが推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究代表者が非常勤であり、十分な研究時間の確保が出来なかった。また、CAGEデータが大きく、どのようなアプローチをしていくか解析に時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
軟部肉腫の筋原性分化についての成果を研究論文としてまとめる。また、データ解析にはバイオインフォマティクス専門の方にも協力をいただく。
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Causes of Carryover |
肉腫検体にRNAシークエンスを行い、myostatinの発現に影響を及ぼすような遺伝子異常が存在するかどうか確認する予定である。
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